TIG溶接機には空冷式と水冷式があります。
造船所に来て初めて『水冷式』なるものを使わせてもらって3~4年経ちますが、水冷式は空冷式と違って大変デリケート。
そんなデリケートな水冷式で一つ気になることがあるので、今回はそこをまとめてみました。
使い続けたi‐HEAD製の水冷トーチ
ケーブルカバーは外しています。
電源を入れると、肌色の部分が風船のように膨らみます。
私の工場では約一年半使用すると、このように表面が磨り減って中身が見えてきます。
トーチケーブルが破裂する理由
なぜこのように磨り減ってくるのかというと、こちらの画像を見ていただければわかるかと思います。
ケーブルの重みが柄(え)の部分にかかってしまうんですね…。
膝下ぐらいの高さで溶接していればもう少し長持ちするとは思いますが、なるべく長期間、長時間楽に作業できるよう、腰の高さより高い位置で溶接させてます。
破裂防止対策
トーチの柄の部分に負荷を与えないようにしなければなりません。トーチケーブルを肩に掛けたりフックを利用して掛けるなどが有効です。
手首の負担が軽減されるだけでなく、実はトーチケーブル自体にも優しい持ち方になってます。これが現場だとフックなどにかけて使用した記憶が…。
とりあえず、応急処置として柔らか素材のテープで凌ぎます(-_-;)
担当者の話によると『耐久型パワーケーブル』があって、その名の通り耐久性バツグン!
標準型に比べて価格は安いのですが、ケーブルが固いので持ちにくいかも、という担当者の意見が…。
トーチケーブルが重いということは腱鞘炎のリスクも考えなければなりませんね。
最後に
ティグ溶接作業を長時間するならば、ティグ水冷式溶接機はその能力を驚くほど発揮します。
今回紹介した唯一の弱点を理解し克服したならば、さらなる溶接の奥深さを体感できるかもしれません。
ではでは、より良い溶接ライフを!