おや?トーチのトリガーを引いて何の反応もない…
配電盤、本体の制御盤の電源はONになっているのにおかしい…
半自動溶接でこのような症状が出たときの対処法をまとめました。使用しいている溶接機はダイヘンSC500です。
まずは症状の確認
電源が来ていることは間違いないので、必ず何かしらの原因があります。その原因を突き止めるためにも、まずは現状の把握から始めてみることに。
トリガーを引いてもワイヤの反応がない場合は、主に次の2パターンに分かれます。
- ワイヤは出ない、炭酸ガスは出る
- ワイヤも出ない、炭酸ガスも出ない
それぞれの対処法は以下の通りに。
1.ワイヤは出ないが炭酸ガスは出る場合
トリガーを引いた時に、ワイヤは出ずに炭酸ガスが出る場合は、トリガーのスイッチは正常に機能している証拠です。
チップの先端が詰まっていないか、ワイヤリールが空になっていないか、ワイヤの送給関連をチェックします。
ワイヤのセッティングでは、ちょっとしたことでトラブルの原因となります。
2.ワイヤも炭酸ガスも出ない場合
一方、ワイヤも炭酸ガスも出ないといった場合には、次のa、bの可能性があるので、それぞれチェックしてみましょう。
- a.何かの原因でショートしてしまい、電流が流れてない
- b.マイクロスイッチの故障
はじめに送給装置裏側の異常ランプをチェック
まずは送給装置の裏側に回り、
そのままトリガーを引いてみましょう。
トリガーを引いたときに、画像のように異常ランプが点灯した場合はヒューズが切れているため電流が流れず、トリガーを引いてもワイヤも炭酸ガスも出ることはありません。
※主な原因は、パワーケーブルの被膜破損→銅線が接地→ヒューズ切断
ヒューズは250mAと100mAがあり、切れている方を交換。とはいってもどちらも切れているか切れてないかは見た目では全然わかりません。
1A以上になるとこのように見た目で切れてないかわかります。
1A以下のヒューズは、見た目で切れているか切れていないか怪しいので、テスターでチェックをするのが一番確実です(たいていは250mAが切れる)。
ヒューズ交換後に異常ランプが点灯しないのを確認します。
続いてbのマイクロスイッチの交換
ワイヤは出ない、炭酸ガスは出ない、異常ランプが点灯しない、といった場合はマイクロスイッチの故障なので、部品交換すれば症状は改善されます。
トリガー部分のカバーを外し、マイクロスイッチを交換すれば完了。
送給装置ヒューズ溶断の原因
ヒューズ溶断の主な原因は、何らかの理由で過大な電流が流れてしまったり迷走した場合に起こります。
このダイヘンの送給装置では、制御盤本体の電源を入れたまま、送給装置とパワーケーブルを接続するとこの現象が起こりやすいので、必ず電源を切ってから接続するようにとのことです(トリセツより抜粋)。
それでは今回はこのへんで。
より良い溶接ライフを!