今回のテーマは
- メリヤス装着は、防塵マスクの効果半減
- 溶接時マスクの必要性はじん肺防止
普段なら使うだけ使って雑に扱ってしまう防塵マスクですが、皆さんが普段使用している防塵マスクの性能を100%発揮するにはどうしたらいいのか、ご紹介します。
1.防塵マスク 各部の名称
「興研 サカヰ式 1005RR型 取扱説明書」 より
溶接で使用するマスクやフィルターは、国家検定合格品と定められています。
標章が貼り付けされているか確認します。
2.メリヤスって何?
画像右下の緑枠がメリヤス
購入時はフィルター、卵型スポンジ、そしてメリヤスがセットで付いてきます。
メリヤス装着後⇩
汗による肌荒れを防止する目的でメリヤスを使用する場合があります。
実はこのメリヤス、溶接時は使用しません!
3.フィットチェックしてみよう
マスクと顔の密着性を確認することをフィットチェックと呼び、簡単にできるんです。
手順
マスクを装着し、フィットチェッカーを確実に上まで引き上げて、息を吸い込みます。
面体が顔に吸い付くようであれば密着は良好との事。この時、空気が入ってくると気密性が悪い証拠なので一度マスクを点検します。
わかりやすくするため、フィルターを外し、中身を見てみましょう。
①フィットチェッカーを引き上げる。
②吸気弁が閉じる。
この状態で息を吸ったとき、空気の漏れ込みが無ければOK。
急に息を吸い込むと、かなり苦しくなるので、必ず静かに吸い込むようにとの事。
と説明書に記載
4.メリヤスは使用しない
今回のポイントがココ
メリヤスを付けた状態でフィットチェックを行うと、必ずと言っていいほどメリヤスの隙間を通って空気が侵入してきます。
これはつまり、マスク内のフィルターを通らずに有害物質が体内へ侵入する危険があるということです。
取扱説明書に【警告】と表記があるように、
「アスベストを取り扱う作業や、ヒ素、クロム等の有害性が高い粉塵等が発生する作業でマスクを装着する場合は、接顔メリヤスを使用しないでください。」
とあります。
5.カブレるから厄介
「メリヤスを使用しないでください」とありますが、肌に面体が直接触れていると、人によっては汗もかいていないのに数分でカブレる方がいます。私の職場にもいますが、その方はシゲマツの防塵マスクを試したところ、カブレは無くなりました。しかし、カブレるのは個人差があるようでシゲマツのマスクでカブレる人も中にはいます。また、シゲマツの防塵マスクにフィットチェッカーは付いていません。
私事ですが、シゲマツのマスクはカブレます。
興研のマスクはカブレませんでした。
近所のワークマンでも販売してます。
6.最後に
10~20年という長い年月が過ぎてから、「実は、じん肺になりました」では悔やんでも悔やみきれません。少しでもじん肺に対する知識を身に付けてリスクを減らしましょう。
その為には取扱説明書をよく読んだうえで、今回紹介したフィットチェックを必ず実施してみてください。
自分の身を守ることは、プロとしての仕事の一つです。
読んでいただいた方のご健康とご安全を願ってます。
それでは、より良い溶接ライフを!