Project-Tig

右手にトーチ 左手に期待値を

6‐01 半自動溶接 炭酸ガスが弱いときのチェックリスト

 半自動溶接で炭酸ガスが弱いときは以下の手順でチェックを行います。

①炭酸ガス流量計をチェック
②ケーブルをチェック
③オーリングをチェック

①炭酸ガスの流量計をチェック

溶接作業に入る前は、必ず送給装置のガスチェックのスイッチを入れて、
f:id:ssmetal:20181216093832j:image

ピンぼけすまぬ

  • 流量計のゲージ
  • トーチから出るガスの音

を確認します。 

流量計のゲージが上がっていなければ、炭酸ガスボンベの開け忘れ。

 流量計のゲージが上がるが、設定値より下がっていれば炭酸ガスの残量が残りわずかまで減っていることになります。

 

 流量計のゲージが設定値どおりならば、次はトーチから出るガスの音をチェックします。流量計に対するトーチのガスの音は、毎回確認しておかないと強弱がわらないので、音を聞く習慣は欠かせません。 
トーチから出るガスの音が弱ければ次へ!

②ケーブルをチェック

送給装置の後ろをチェック!
f:id:ssmetal:20181219165736j:image

 送給装置の後ろにある接続部からガスが漏れているということが良くあります。手で絞め直せば治まるので、送給装置を頻繁に移動させる場合は注意が必要となります。

休憩中等の静かな時に、「シューーー」と、ひっそりとガスが漏れる音が聞こえます。

③オーリングをチェック

【送給アダプタ】

f:id:ssmetal:20181216093847j:image

送給アダプタを外すと見えます。

ダイヘン純正部品
オーリング品番 3574-125

 ライナの交換時以外はあまり目にすることの無い箇所ですから、知らない方も多いと思います。

 ステンレスのワイヤを使用する場合は、軟鋼のワイヤに比べて非常に固く、ライナが早く消耗してしまいます。その為、ライナの交換で送給アダプタを取り外す回数が増えるわけなんです。キツイところを無理やり取り付けてしまうとオーリングを潰してしまうので、遊びを確認しながら締め付けるとOKです。 

 

【トーチボディ】

f:id:ssmetal:20181216093858j:image

トーチボディにもオーリングがあります。

ダイヘン純正部品
オーリング品番 3574-001

 六角レンチで緩めてからトーチボディの向きを変えて溶接する場合がありますが、これも回数を重ねることによって徐々にオーリングの割れになるので、定期的に点検を。

 さいごに 

炭酸ガスは不燃性のガスなので引火の可能性はありません。

 

 直接的な災害の危険度は低いですが、些細なトラブルの積み重ねが後々大きなしわ寄せとなり返ってくるので、小さいうちに危険の芽は摘んでおきたいところです。

 ガス切断で使用するプロパンガスが漏れてる場合はイヤ~な臭いがするからすぐに気が付きますが、無臭の炭酸ガスはほとんど気がつきません。なので、みんなは結構無関心で見落としやすい部類に入ります。 

 私自身も、何でガスが弱いのかわかりませんでしたが、「ま、少しぐらいいっか」てな感じで溶接を続けていました。 

 その内、「少しぐらい」のレベルを超えてガスが弱くなったので、改めて点検することになりました。

技術が変わる!Pro-tig一覧に戻る

CO2 半自動溶接一覧に戻る