ティグ溶接機には、空冷式と水冷式があり、標準では空冷式仕様となる。ここでは空冷式についてのメリットデメリットを記載することとする。
1.空冷式とは
溶接機本体の排熱をファンモータで大気に放出する方式。
- 仮付け専門
- 180A以下での溶接作業
- DIY等で、自宅でちょっとした棚を作る
等の場合は空冷式で十分となる。
メリット
①初期費用が水冷式より安い。
②軽くて扱いやすく、手首への負担が軽い。
デメリット
①高電流での使用時間が長いほど、コレットやトーチヘッド等が高温により変色、変形してしまい、消耗品の交換頻度が高くなる。結果、コストがかかる傾向にある。
②真夏の外気温で高電流による溶接を行うと排熱が多く、溶接機内に熱がこもり、故障の原因となる。また、トーチも高温となり、手に持つのも熱くなる。
空冷式と水冷式の消耗品の比較
以下の使用数は、私が一年間に渡り記録したものです。溶接電流は220A。
空冷式使用数(個) | 水冷式使用数(個) | |
コレット | 72 | 18 |
コレットボディ | 36 | 6 |
トーチキャップ | 6 | 2 |
トーチヘッド | 3 | 1 |
空冷式220Aで、使用率を守りながら1日溶接した場合コレットボディは1週間程で、コレットは4日程で熱変形、変色してしまいます。水冷式では、同じ220Aで溶接してもコレットは3週間以上は長持ちする結果となります。