水冷式とは
循環装置を用いて冷却水を循環させることによりトーチの熱を下げる仕組みのこと。
循環装置から流れてくる冷却水がトーチケーブルを通り、柄の部分まで行き渡り熱を奪ってくれるので、持つ個所が熱くなることはありません。
使用する際は、Tig溶接機本体の他に、循環装置+水冷式トーチケーブルといった組み合わせにる。
【循環装置】
【水冷式トーチケーブル】
トーチ内の給水ホースと排水ホースで冷却水を循環させ、間接的に熱交換する方式となる。
水冷式のメリット
①長時間の溶接でもトーチケーブルが熱くならず、安定した溶接作業が可能。
②安定した冷却効果により、コレット等の消耗品の耐久性がアップするため、コスト削減が可能。
③工場等の屋内の平坦な場所では、その性能を確実に発揮する。特に配管溶接。
水冷式のデメリット
①屋外、広範囲等での作業には対応しにくい。
②循環装置のポンプ性能には高さ制限(約8m)があるので、高低差のあるところは避けたい。
③初期投資がかかる。
④寒冷地では冬季に水道水が凍るため純正クーラントを使用し、1シーズンで交換。
⑤メーカーによってはトーチケーブルが重たくなり、手首に負担がかかる場合もある。
空冷式と水冷式の消耗品の比較
以下の使用数は、私が一年間に渡り記録したものです。溶接電流は220A。
空冷式使用数(個) | 水冷式使用数(個) | |
コレット | 72 | 18 |
コレットボディ | 36 | 6 |
トーチキャップ | 6 | 2 |
トーチヘッド | 3 | 1 |
空冷式220Aで、使用率を守りながら1日溶接した場合コレットボディは1週間程で、コレットは4日程で熱変形、変色してしまいます。水冷式では、同じ220Aで溶接してもコレットは3週間以上は長持ちする結果となります。