半自動溶接では消耗品を時々交換するんですが、
「種類がありすぎて名前が覚えきれない!」
なんて方に向けて、画像付きでまとめました。
半自動溶接のトーチ部品名称、ご存知の方も知らなかった人も、ゆっくりとご覧ください!
画像はダイヘン製で、全て純正です。
分解するとこうなります。
ノズル
径の大きさは8番、9番、10番と色々ありますが純正品は10番。
交換頻度は高いですね。
スパッタが溜まるとガスの流れを乱し、ピンホール(溶接欠陥)を生じやすくなります。こまめな清掃を忘れずに。
チップコートを使用して溶接してますが、メッキ溶接なんかはこのスパッタにホント泣かされます。 メッキはパンパン跳ねるのでノズルがスパッタまみれに、、、
※チップコートとは、スパッタ付着防止のためにノズル先端に付けるコーティング油の事です。
チップ
言わずと知れた消耗品ランキング、48週連続第一位(SSメタル調べ)の『チップ』。ファーストタッチでパンパンやらかして、ダメにしたのは私だけではないはず。
新品のチップも、10秒後には…、
「パンッ‼️」
哀れな姿に…。
溶接開始時、ワイヤーが溶接箇所に接触しているとこうなるので、接触していないのを確認してからスイッチを押すこと。
ワイヤー先端が玉になってる場合は、アークが出にくいのでウェルパーで切り落とします。
また、長期間使用していると、チップの口先が、丸から楕円形に広がってきます。
思ってるほどワイヤーはまっすぐ出ていませんよね👆
純正品でこれですから、チップの口先が広がるとさらにワイヤーのブレは大きくなります。
ワイヤーが真っ直ぐ出ていると思っていると、狙っているところがズレてるのを知らずに溶接してしまうので、初心者の方はココに注意。
補足として、パナソニック製のチップでもネジ山は同じなので使用可能です。
オリフィス
チップ、チップボディにスパッタが着かないようにするのがオリフィスの役割。
スパッタが溜まりすぎた時に力任せにノズルを回すと、オリフィスがパキッと割れてしまうので注意が必要です。
オリフィスが無くてもOK!って思ってる方は大間違いですよ。
シールドガス内に空気が混ざる(乱流になる)ため、溶接欠陥のピンホールが発生しやすいんです。
オリフィスは必ず付けましょう。
チップボディ
交換頻度は極めて低いなぁ。
チップボディの穴からライナが見えていることが良好な状態。
ぐ、、、書くことが無い、、、。
次行きましょう!
インシュレータ
ノズルとトーチボディを繋ぐ部品。
溶接熱でノズルが緩くなる時があるので、黒いスプリングワッシャ(?)みたいなものがもう少し役に立ってほしいところ。
絶縁効果もある?
トーチボディ
六角レンチで緩めてからクルクル回して角度を変えたりします。
時々、根元のオーリングが破けてガスが漏れるときがあります。
マイクロスイッチ
ブルーのカバーを外すと見えます。
溶接中にスイッチを押してもワイヤが止まらなくなったら、ほとんどコヤツの仕業です。
交換方法は「5-03 マイクロスイッチの交換方法を知る」をご覧ください。
ライナ
ワイヤの入れ替えを頻繁にしていると、交換頻度は高くなります。
ワイヤーがスムーズに出るかは、ライナで決まると言っても過言ではないほど重要なパーツ。ちょっとでもライナに折れ目が付いてしまうと、ワイヤー送給に負荷がかかってしまうため、引っかかった感じがしたらライナを交換します。
半自動溶接ではワイヤーの送球が超重要
トーチケーブルは「ねじれ」がないように極力真っ直ぐにします。
チップ、ライナの交換頻度は使用するワイヤーにより左右される傾向にあります。私の工場では鉄用の「SF-1」、ステン用の「SUS316LT」を使用。
硬いワイヤーである「SUS316LT」を使用すると、チップやライナの交換頻度は高いですね。
ダイヘンのHPです⇩