先輩…造船所勤務の溶接工。パチンコパチスロの資金は給料前借り
後輩…先輩と同じ会社の営業職。
先輩、今日はステンレス加工について問合せがあったので、経験豊富な先輩に説明していただいてもいいですか?
シンフォギア2に呼ばれてるんで断る!
うp主から一万円預かってきたんですが、要りませんか?
(…マジで~。家賃の足しになるやん)
先輩、家賃の支払いに困ってるって言ってましたよね。
僕からも、あと二千円出しますよ。
不承不承ながら引き受けましょう。
先輩にお願いしたい部分は「ステンレスと鉄の加工の違い」についてです。
初心者でもわかるようにお願いしますね。
あとの部分は僕がやりますんで。
OK! では行ってみよう!
ノリノリですね。
ステンレスと鉄の性質の違い
まずはステンレスと鉄の性質の違いをチェックしておきましょう。
ステンレスの加工の種類
ステンレスには粘りの性質があるため、鉄の加工に比べてはるかに手間がかかることを予め熟知しておく。
ステンレスの分子構造が特殊で、言ってみれば絆の強い付き合いたてのカップルみたいなもん。障害があっても結びつきが強いため、なかなか別れようとしない
一方の鉄は、付き合って数年は経ってる倦怠期のカップルってな感じ。
どっちかが「別れよう」って言えば、「そだね、別れよっか。」くらい、ステンレスに比べて結びつきが薄い。
鉄と同じつもりでステンレスを加工しようとすると、機械や設備に多大な損害を与える事になるので要注意。
ここではステンレス加工について3つの項目に分けて説明します。
- ①切断加工
- ②穴開け加工
- ③曲げ加工
①切断加工
鉄で切断加工を行うとすると、バンドソー、シャーリング、プラズマ、ガス、グラインダーなどがあるが、この中でステンレスではガス切断だけ出来ない。
ステンレスのバンドソー切断
同じ形状の鉄と比べて切断スピードは遅めに調整。大型、中型、小型バンドソー問わず、切断スピードは各機械のトリセツに明記されてるので必ずこれを遵守の事。
ステンレスの切断に使用する刃はハイス刃(ハイスピードスチール)。合金刃と間違わないように。
【ステンレス切断時の注意点】
ステンレスと刃の接する面積を最小限にすること。
フラットバーの場合は寝かして切断するより、
立てて切断するのがベター。
ステンレスのシャーリング切断
使用前に刃全体のこぼれをチェック。
ステンレスは粘りの性質があるため、同じ場所の刃を使用すると鉄に比べて刃こぼれが著しく、交換の必要に迫られることに。刃こぼれの少ない箇所を選んで使用の事。
ステンレスのプラズマ切断
イメージ的にはガス切断に代わる切断方法がプラズマ。
ガス切断のように、つまみで強弱の調整は出来ないが、慣れると鉄でもガスよりプラズマを使用したくなるほど切断スピードは速い。ノロを出さずに切断すにはかなりの技量が必要。
使用中の火花が異常に多いので、可燃物には厳重に注意。
ステンレスのグラインダー処理、研磨
ステンレス専用の砥石を使用すること。
鉄とステンレス兼用の場合は、もらい錆防止のため、作業場内で鉄用とステンレス用が混在しないように、保管場所を明確にする必要がある。
②穴開け加工
ステンレスの穴開け方法はボール盤、ハンドドリル、ポンチングがあります。
ステンレスのボール盤、ハンドドリルによる穴開け
鉄と比べてドリルの回転速度は遅めに設定。詳細に関してはこちらから。
③曲げ加工
ステンレスの曲げ加工にはプレス機、油圧ベンダーを使用。
まずはスプリングバックの説明を。
スプリングバックとは、加工素材をプレスしても、プレス後に素材の持つ弾性によって、素材の形状が元に戻ってしまう特性。ステンレス鋼は引張強さが高く、かつ伸びが大きいため、加工に要する圧力は、炭素鋼などの金属に比べ、約1.5倍ほど必要になる。
例えば、丸棒をベンダーで90度に曲げる場合。
鉄では92度まで押し曲げ、減圧すると90度になる。これがステンレスの場合、93~94度まで押し曲げないと減圧した際に90度にならない。
ステンレスの曲げ加工が難しいとされる理由は、このスプリングバックが生じるため。
あてものが鉄の場合はもらい錆が発生するので、必ず曲げ加工後にその個所をステンレス用のグラインダーで処理の事。以上。
ステンレスと鉄の価格の違い
ざっくりとした価格ですが、ステンレスの中で最も代表的な「SUS304」の材料価格は、鉄の材料価格に比べて約3倍高くなります。
SUS304の価格はだいたい300円/kgで、フラットバー(よく使われる鉄材)の価格はだいたい100円/kgです。
ただし、これはあくまで「材料を購入するだけの価格」であることに注意してください。
材料を買った後の加工において、ステンレス材の中には加工に繊細な技術が必要なものがあり、加工費も高くなります。
SUS304は、刃物との摩擦によって熱膨張しやすいため、熱膨張の生じる高温加工(溶接など)は熱膨張による寸法変化も考慮した寸法で製作するなどの技術が必要です。
ステンレス価格で検索してみる
最後に
先輩、ありがとうございました。
はい、これ1万2千円です。
おっしゃ~。ほんじゃ、帰るで。
・・・
本当はうp主からもっともらってたんですよ。先輩に渡すとすぐパチに溶かすから黙ってますね。