溶接ヒュームの法改正が令和3年の4月から施行されることとなり、溶接作業をする上で新しく「特定化学物質、四アルキル鉛等作業主任者」の講習が必要となりました。
※作業主任者の選任は令和4年4月から
こちらの記事では、講習会の内容を解説するような仰々しいものではなく、ただの備忘録となってますのでご了承ください。
【場所】八戸福祉会館
駐車場側入り口より
建物の入口で検温、消毒
講習会場の入口で検温、消毒
受付時の密、混雑を防ぐために、受付は検温のみで、講習が始まってから係の方がフェイスシールドしながら1人づつ受講票と身分証を確認していくスタイルです。
なのでコロナ感染対策は万全かと。
受講者定員は80名
パンパンのパンです。
受講希望者数に対して講習の日程が追いついてないそうで御迷惑をお掛けしていますと説明がありました。1事業所で参加は3名までとのことです。
かくいう私も溶接作業に法改正があるってよ記事を書く以前から申し込みをしてましたが、コロナの影響もあり一年近く待ちました。
1日目
工場作業とは違って朝から夕方まで座りっぱなしというラスボス級のMPが要求される講習に備えて、まずはコーヒー店でカフェインをたっぷりと補充。
初日開始は9時50分~。朝はゆったり。
保護具について
【10時00分~12時00分 途中5分休憩】
作業環境の改善方法について
【午後12時50分~17時00分 】
講習50分の休憩10分と思ったのに。75分講習10分休憩の3セットでした。ツラっ
日常の作業で体を動かしてる者からすれば、60分以上座りっぱなしは時々息苦しくなるので、かなり辛いです。鼻歌も歌えません。腹をくくって挑みましょう。
四(し)アルキル鉛、メチル、エチル、1atm2.5℃、、、
(ふむふむ、
6価、2価、沈降、湿式、
(プスプス、、、
標準偏差、対数平均、log√、摩擦損失、
ボンッ!)
聞いたことの無い数多の呪文が襲ってきます。大学の講義ってこういう感じ?
途中途中で講師の方が
「ここ線を引いてください」と、問題の出るであろうポイントを教えてくれるので、著しく減ったMPを回復出来ます。
理解できないのは真面目に聞かない方が賢明だな。MPがもたない、、、
以下は講習中のメモ⇩
風速として感じる速度は0.6m/S
抑制濃度は定常的な作業状態*1で、5点以上の測定点で行う。濃度を測る場合は風速も測ると良い
天井ファンは空気より比重の大きい溶接ヒュームの排気には不適切で、天井ファンを設ける場合は給気用に使用すべき。
溶接ヒュームほ空気より重くてなかなか排気されない場合があるんですよね。作業中、換気してないとフワフワ空中を漂うのが見えて、気になってしまいます。
2日目
【関係法令】
8時50分~11時00分
【健康障害と予備知識】
11時10分~12時00昼休憩
12時50分~16時00分
熱傷による症状のなかに「灼熱感」があって『保留変化は灼熱カスタムby京楽』と反射的に思った自分はなかなかのパチンカス。
溶接ヒュームの健康障害や溶接作業によるリスクについては当ブログにおいても、かなりの熱量で書いてきました⇩
【警報レベル5】えげつない溶接ヒュームでじん肺が心配!防塵マスクと換気必須!
13-04 防塵マスクのフィットチェッカーとメリヤス不要を理解する
溶接ヒュームがえげつないメッキ材をTIG溶接なんてとんでもねぇ
溶接の歴史を調べようと世界史を振り返った時に気付かされたんですが、産業革命以降、人々の暮らしを豊かにしてきた科学の発展の影では、数多くの悲劇がありました。
痛い目を見るのは何も知らない住人の小さな子供や老人、そして我々のような末端の作業員。
最近の出来事では今年2021年、新宿で起きた消火装置の誤作動により亡くなった4名の方々も孫請け業者で、現場に作業主任者は不在とのことでした。
他人事とは思えず、思わず息が詰まるような残念でならない災害です。
せめてこれをご覧になってる方だけでも、どうか今後、これから自分が取りかかる作業場所についてのリスクを今一度確認されることを切に願います。
【修了試験】
16時00分~
3択問題。各項目4割以上かつ全体で6割以上正解、で合格。
~休憩中にて~
1階の自販機にある黒糖ラテ。
自販機で黒糖ラテは初めて見たので思わず買ってしまったんですが、これが大当たり。
程よい甘さが疲れて干からびてる脳にジワーっと染み渡るような潤いを与えてくれました。
一日中座りっぱなしって、かなりダメージが大きい…
最後に
職場は20m×30m程のスペースに私含む4人の作業員。
南北に搬入出用の大きなシャッター、壁にサッシ窓が10枚以上、換気扇小2つ、天井に排気ファン大が2台。夏は暑く冬は寒い。
最盛期は14人。7台の半自動溶接機がフル稼働すると工場内の排気が間に合わないほどの溶接ヒュームだったので、お願いしてサッシ窓と換気扇を増設していただきました。
それが今は4人。
広すぎるな。
濃度測定するまでもなく、給排気は間に合っている状態。とはいえ、せっかく受けた講習を今後どのように生かすか考えないとね。
それと、ティグ溶接ってヒュームが見えないからそんなに体に影響なさそうなんだけど、発がん性特別化学物質の中に、クロム化合物、ニッケル化合物も含まれるから、ステンレスの溶接は換気を継続していきます。
さて、ダラダラと書いてきましたが要約すると、溶接者にとって溶接ヒュームは、
特定化学物質には1類2類3類あって溶接ヒュームのマンガンが第2類で超ヤベーよ。上から言われたからってホイホイ作業せずに、自分達の安全、未来の健康を守るためにリスク確認しようや
ってことでした。
黒糖ラテものみおわり!そろそろ修了試験の時間なので、ぼちぼち勉強しますね。
最後までお付き合いありがとうございました。
ではでは、
より良い溶接ライフを!
*1:作業を1時間以上継続した後