SNSを通じて溶接の世界が広がり、様々な情報が目に飛び込んできます。特にここ数年、YouTubeでは溶接系チャンネルが増えてきました。
そこで今回は、個人的に気になった世界各国の溶接動画を厳選し、初心者におすすめの溶接動画や、マニアックな溶接動画をピックアップしました。
早速溶接動画を紹介と行きたいところですが、その前に溶融池の基本事項をおさらいしましょう。
溶融池の流れ方
①溶融池(液体)
②溶融スラグ(液体)
③凝固スラグ(固体)
④ 凝固溶接金属(固体)
ちょっとわかりにくいのでこちらの画像を
溶接中はこのような感じに
金属がドロドロの液体状になってる溶融池。トーチが進むことによって液体状の金属が後方に流れていきます(長い矢印)。
溶融池がが大きく波を打つのではなく静かに小刻みに動いているのが良い状態なので、動画では見る際のポイントとして覚えておいてください。
溶融池の状態は半自動、ティグ、被覆アークでそれぞれ異なり、鉄とステンレス、溶接姿勢によっても大きく変化します。
紹介する動画のチャンネル登録者数、総再生回数は2020年7月7日現在のものです。
Red hand
- チャンネル登録者数 2.35万人
- 総再生回数 690万回越え
- 韓国
被覆アークの横向き姿勢で、ビードを淡々と盛り上げていく動画です。
溶融池が後方に流れる様子がとても解りやすいです。
安定した溶融池の運び、被覆アーク独特の溶け込む音。
説明などは一切ありませんが、充分に感心させられる動画です。
Welderチャンネル
- チャンネル登録者数 2.7万人
- 動画本数 54本
- 総再生回数 310万回越え
- 日本
昨年から急上昇の溶接系チャンネル。サムネのビードがとにかく綺麗でタイトルもわかりやすく、ついクリックしたくなります。
溶融池の画像はそこまで鮮明ではありませんが、全般的にティグ、被覆アークの解説がずば抜けて丁寧なので初心者の人にはおすすめです。というより私も参考にさせていただいています。
ホームページ動画一覧がティグビードで色鮮やかなので、眺めるだけでもテンション上がりますよ。
XpWelds
- チャンネル登録者数 3.65万人
- 総再生回数 870万回越え
- アメリカ
上記二つの動画は緑色の溶接動画ですが、こちらのXpWeldsは白っぽくて見やすい動画になっています。
鉄パイプの裏波を横向き姿勢で溶接している動画で、途切れない棒の送りに熟練の技術がうかがえます。
ノズルの一部が欠けているため、ローリングの細かな動きが見てとれます。
ただひたすらにローリング動画
ポジショナーでパイプを回転させながら延々とローリングしてるだけなのですが、BGMがなく個人的にずっと見てられる動画。
タングステンの動きに合わせて、後ろからオレンジの液体がフワフワ付いてくる様子がたまりせん。再生速度を通常より下げた0.25がおすすめ。
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今でこそ動画配信で「溶融池」と検索すればいつでも見れますが、20年前って「溶融池の状態を把握し安定した溶接が出来るようになるか」が初心者と中級者の分水嶺でした。なんでも調べて吸収し、余分なものはそぎ落としていくのに夢中だったんですね。
右利きの私ですが、左手で溶接すると溶融池の見え方にかなりの違和感を覚えたために、原因を探った結果をまとめた内容です。人間の目は本当に不思議です。
安定した棒の送りがティグ溶接では重要ですが、なかなか思うように出来ないことが多いです。溶融池からタングステンが離れすぎると棒が一気に溶けて途切れる原因となります。
溶融池がわかってくると、自分の溶接がどのくらい奥まで溶け込んでいるのか疑問に思うことがあります。