溶接時の「保護マスク」してますか?
メンンドクサ!って言って、マスクを外して溶接してると「じん肺や亜鉛中毒」になりますよ。
皆さんは【亜鉛中毒】って聞いたことあります?
溶接工にとってこの言葉は「あるある」なんです。一度経験すれば一人前の溶接工?
んなわけない!
作業中に保護マスクを確実に使用すること。
あの時、しっかりと保護マスクをしとけば良かったのに…って、そう思ったことがあったので、今回はその話を。
亜鉛メッキ中毒は寒気がヤバイ
私が20代前半の頃、当時は現場仕事で棒溶接がメインでした。
師匠と私含め四人で一組。
亜鉛メッキ処理された薄い鉄板を敷き詰めて、バチバチッと数ヶ所を点付け溶接していく作業でした。
季節は夏真っ盛り。
夏のアツさにもメゲズニ、作業着は耐火性が高く立ちしゃがみが楽な綿製品のツナギ。
しかしだよ、容赦ないジリジリ暑さのせいもあって、ついつい保護マスクは首からぶら下げたまま作業してたんです。
師匠からは、
「マスクしねぇと、メッキ中毒になるぞ」
って忠告されてたのに、
「顔を離して溶接してるから大丈夫ッスよ」
と、軽い返事の私。
無事に作業を終えて帰宅し、食事を済ませ、風呂に入ろうかと思った時、急に背筋がゾクゾクし始めたんです。
おっとっと、季節外れのインフルエンザ?
いや、なんか違う。
とりあえず、ワケわかめなので師匠に電話。
「し、ししょお~。寒気が止まらないッス💦」
『んあぁ、そりゃぁメッキ中毒だぁすけ、あすには治るがら黙ってねどぉげぇ。』
え?訛りがヒドイ?
要するに…、
『それはメッキ(亜鉛)中毒だよ。明日にはなおるから、おとなしく寝てなさい。』
ってこと。
「い~っ、早く言ってよ!」
作業中のみならず、帰りの車内でも『マスクしないとメッキ中毒になる』と言われてたことを思い出した。
そりゃ、言うことを聞かない自分が悪い。
当時はワンルーム一人暮らし。お気に入りのバラエティ番組が全く笑えない。こういう時って急に寂しくなるよね。
うわ、寒気が強くなってくる。
とりあえず風呂風呂。
ふぃ~~って、ちょっとぬる過ぎるな。
あれ?、体がブルブルして湯温42℃が超ぬるい(笑)
コレってまずくね?
てな感じで、風呂も早々に体をブルブル震わせながら着替えて早めの就寝。
季節は夏真っ盛り(二回目)
てなことがあったんです。
結局さ、寒すぎて冬用の布団にくるまり、いつの間にか朝を迎えたんです。
あまりの震えに奥歯がカチカチカチカチ…。
ちなみに、こちらがメッキ加工された鋼材⇩
溶接するとえげつないほどのヒュームを吐きだします。
白い煙がモクモクってね。
簡易マスクじゃ防御力が心もとないので、溶接専用の防塵マスクを使用します。
私はこれを装備せずに首からぶら下げてたんですね。しっかり装備すればメッキ中毒にならずに済んだのに。
屋外だったし風通しもいい場所だったんですよね。未熟も未熟。隙だらけ。
亜鉛メッキを溶接するときのポイント
- 屋内外問わずに換気はフルに行う
- 防塵マスクは絶対する。フィルターは目詰まりしやすいので休憩ごとにエアーで掃除する。
- 溶接するときは顔を近づけすぎない。
ではでは、より良い溶接ライフを!