Project-Tig

右手にトーチ 左手に期待値を

12-02 造船所ベテラン職人が辞めていく!棚上げされる溶接職人の生存戦略

私の職場は造船所内の工場。

人手不足の影響を全身で浴びながら、日々ステンレスを切っては溶接、切っては溶接を繰り返しています。

新しく人が入ってこなくなったなあと感じたのはここ3、4年ぐらい。

生産が追い付かず増員必須の最中、一番新しくて二年前に二十歳の新人君が入ったきり、以降は全く人が入ってこない状態です。

ハローワークに出してもネットで求人を募集しても手応えなし。

時折コンコンとノックはされるものの、とてもじゃないけど採用までに至らない。

簡単な角度計算が出来れば問題無いのだけど。 

3Kと呼ばれる造船所の仕事なので、しょうがないと言えばしょうがないんですが、なかなか厳しいのが現実です。

 

一日の単価が決まってる日給月給で、親会社とは常傭契約なので思いきって、『来るものは拒まずで採用してしまえ~』なんて欲求に駈られますが、目先のことにとらわれて将来自分達が苦労するのは目に見えてるので却下。

 

 

あーあ、どっかから期待の新人が降ってこねーかなぁ

 

と思いながら久しぶりのブログ更新です。

 

ただ今回の話は人が入って来ないよね案件ではなく、人手不足人手不足と騒ぐ前に既存の職人、特に仕事ができる人に対してどうなってるか、今一度確認する必要があるんじゃね?と首をかしげてるわけです。

 

ただでさえ人手不足なのに、働き盛りのベテラン職人に辞められたりでもしたら、会社としてはさらに深刻なダメージを受けることになります。

こちとら海の物流を担ってるんじゃい!というちっちゃいプライドが軽く吹き飛んでしまいます。 

造船所ベテラン職人が辞める理由

造船所内の職場では、勤続年数が長く当たり前に会社に利益をもたらすベテラン職人が辞めていく理由にこんなものがありました。 

  • 1.親の介護で離職する
  • 2.実家の跡継ぎで辞める
  • 3.居場所がなくなって辞める

今回は 2 の話。

イレギュラーな対策もする

田舎の地方都市ということもあり兼業農家の職人さんもいまして、都合により農家を全面的に継ぐことになり、仕事を今月いっぱいで辞めたいと言われました。

しかし今月いっぱいで辞めたとしても、そのベテラン職人さんは翌月からの収入が全くなくなってしまいます。

それならばいっそ土日を完全週休二日制にして平日の残業無し、さらに場合によっては月に平日1、2回休んでもいいので、兼業で農家の方の仕事をしてはどうでしょうか?

という提案をしました。

 

理想の職場って何だろうね

現状は残業が通常で40時間。繁忙期で79時間。

13人がフルで働いて有給取得率100%を維持しながら何とかやってこれましたが、誰か入院でもしたらアウトやん。

日給月給なので働いた分の給料は出るけども、肉体労働なのでその日の体調に応じて定時で帰れるように、工程的にゆとりが欲しい。

増員しても製作スペースが狭い!という声もあるが(工場の面積に対しては適正人員)、やはり突発的な欠勤に対応出来ない場合があるので増員は必須。

 

親会社からは増員OKもらってるのに、肝心の人が入って来ないのよね…

 

給料は多い、有給は取れる、

けど常にフル残業

(土曜日は月二回休み)

稼ぎたい人にはもってこい!

結局、自分達で変えていくしかない

人材不足の中で、私からすればベテラン職人を一人失うということはかなりのダメージ。そのしわ寄せが他のメンバーに影響することは目に見えて明白です。

 

平均年齢が45歳ならば5年後は50歳となり、肉体的な生産力は確実に落ちてきます。しかし顧客から求められることは変わらないでしょう。

 

工場の生産性を一定にキープしなければならないのに、加齢とともに生産力は落ちてくる。あとは若手の顔を立てて使うこともベテランの職人さんにも覚えてもらう。

 

先ほど説明した兼業農家の件は私が独断で判断を下したこと。ベテラン職人、親会社、自社の三者がWIN×3となりますよとやんわり説明し、親会社のスタッフの方にご理解いただき現在に至ります。

 

 

仕事があるのは幸せなことだけど、忙しすぎると人に優しくできないよね~

 

他の造船所も似たようなものでしょうか?

ご覧の方で造船所関係の方がいたら感想お願いします。

 

ちなみに私の理想の職場は、

50歳を越えたら水土休みの完全週休三日制!

(みんな働きすぎ) 

blog.sus-metal.com