ども、ステンレス工場に勤務するティグ溶接歴16年のSSめたるです。
人の入れ替わりが激しいこの溶接業界ですが、中には10代の若いころから始めて60歳を超えてなお、現役でバリバリ稼いでる方もいらっしゃいます。
私自身も22歳から好きで始めた溶接仕事です。年金が貰える?65歳まで健康で楽しく働きたい!と常日頃強く思っているわけです。
好きな仕事を長く続けるコツは何なのか?
せっかく巡り合えた好きな溶接仕事を、イヤイヤ続ける事にならないためにも、どんなことに気を付ければ前向きに仕事が出来るのか。
今まで数多くの職人さん達と出会ってきた体験をもとにまとめてみました。
入社直後
まずは修行。
見ることやることが初めての事ばかりなので、一年後の自分を想像して身近な先輩を目標に頑張りましょう。
怪我には一番注意!
新しい職場に入って三日、一週間、一ヶ月が労働災害の割合が多いので、安全作業をするためのルールはしっかり把握し守ること。
そして、会社で取らせてくれる資格は、取れるだけ取りましょう。
【資格の種類】
特別講習(半日~一日)一部抜粋
- アーク溶接
- 低電圧取扱
- グラインダー等の砥石の交換
技能講習(3~4日)一部抜粋
- 玉掛作業
- 床上操作式クレーン作業
- フォークリフト
- ユニック車(移動式クレーン)
JIS溶接試験 一部抜粋
- T-NF
- T-2P
等々、経験年数に応じて取得できる資格は増えていきます。将来を考えると持っていて困ることはありません。会社負担なので積極的に資格を取りに行きましょう。
、、、この頃の私がJIS溶接試験のTー2Pに落ちたのは内緒ですよ。
【JIS溶接試験不合格】これから裏波試験に落ちた理由を話すよ
給料は安くて当たり前が前提です。
自分にとって都合のいい会社はありません。会社側は意欲はあっても技術と経験の無い自分を雇ってくれたと思い、不満を言うより腕を磨くことに専念。
あたりまえのことですが無遅刻無欠勤を。
入社一年後~
ある程度仕事を覚え、周りの様子もわかり始める頃。
相変わらず覚えることはいくらでもあり毎日があっという間。仕事の面白さも感じてくるので充実する一方、自分の短所も見えてきて不甲斐無さを感じることが多く出てきます。
最初から上手い人はいませんので、焦らずに技術の習得に励む事。落ち込む暇があったら、休憩時間等の空いてる時間を利用し練習あるのみ。
ウザイ先輩対策は「マジっすか」、「ですよね~」でOK!
指示された作業が早く片付いたら、積極的に次の指示を聞く姿勢を見せると、先輩とのコミュニケーションが円滑になります。
入社三年後
努力の甲斐があり給料も増え、グループのリーダーになることも。
自分の仕事に自信過剰になる時期でもあります。
出来ない後輩、先輩をとにかく馬鹿にしたり見下したりして自分を誇示する傾向の人は気を付けて。
自分一人でここまで大きくなったと勘違いしてるので今一度初心に戻ろうね。
ミスは恐れずに前向きにチャレンジしていきましょう。ミスした場合は自身の間違いを素直に認めて次につなげるか、人のせいにして逃げるかで周りの対応が激変します。積み重ねてきた信頼を失わないように。
なにもできなかった自分を誰が雇ってくれたのか。
なにも知らなかった自分を誰が指導してくれたのか。
気づいてないかもしれないけど、周りは一人前になり会社に利益を上げるまで成長した自分を長~~~い目で見守っています。 後からわかります
身近な周りの人達に対しての、ありがとうございます!っていう気持ちが少しでもあるなら、今度は周りの人達のために自分が動くことををすすめます。
自分の技術を下の世代に伝える
これは「技術の昇華」と呼ばれ自分の為にもなります。
ヤル気満々の後輩がドンドン質問してきたとします。真摯に答えることにより、自分の頭の中の引き出しがドンドン開かれてアウトプットされていくんです。これにより自身が忘れていたことまでが再認識され、結局自分のプラスに働きます。答えられなかったら再勉強すればいいだけ。
「後輩に抜かれるのが内心怖い」
怖いのは、伝える技術を磨かないことです。
腕があればOKに見える業界ですが、それはずば抜けた人達や、一人親方のようなフリーランスのごく一部ですよ。普通並みの人柄、人望を軽視し横柄な態度を続けると、歳を取ってから居場所がなくなります。
せめて人間らしく
それと、慣れてくると溶接面をしないで仮付けしたり、ゴーグルせずにグラインダー作業するので、一旦基本に戻ろう。先輩がしっかり保護具を使用してないと、後輩にも悪影響が出ます。
そして、ひとつの分水嶺。
とにかく、隣の芝生がやたらと青く見えてきます。この会社でいいのか?と真剣に悩むときでもあります。
- 作業者の安全、健康を軽視している
- 覚えることや技術を盗む人がいない
- いろんな意味で魅力や将来性無い
- 従業員が会社の宝、と思えるところが一つも感じられない。
のような会社であれば見切りをつけるべき。辞めるのはいつでも出来るので、自分が成長できる職場を見つけられるように人脈は広げておきましょう。
入社五年~
自己の人格形成が大事になってくる。
この時期に、上司と部下の板挟みで一番ストレスを感じ家庭にも影響が出てくる。好きな溶接だけやってれば楽しいのに、と思うが現実はもちろんそうさせてはくれない。
自分が一歩引いて相手を立てることを覚えておかないと、職場で余計な神経バトルを強いられます。
プライドが邪魔するって良く聞きますが、相手の立場を尊重せずに批判にもならない暴言を吐くのは職人として絶対NO。
技術を磨くのもいいが、自分磨きを忘れずに!
ティグ溶接なら五年も経験すれば充分、、、ではありません。ここから更に一皮むけるかが勝負ドコロなので日々コレ精進。私が自分自身にようやく納得し始めたのはティグを始めてから丸6年は経ってました。
職場で改善すべき点があるときは積極的に上役と意見交換を。より良い職場にしたい!より良い会社にしたい!といった熱意をまずは伝えないと上の人は聞く耳を持ってくれません。一人相撲にならないように、班員の意見をまとめ、自分の考えとして上役に伝えます。そして上役のリアクションをそのまま班員に伝えます。結果を出そうと焦ってしまうと謎の頭痛がするので(笑)気長に構えましょう。
入社十年~
年齢的にも健康に不安を感じる年頃。
将来を見据えて働き方を一度見直し、肉体的に頑張るより知識と経験で若手のアシストに方向転換するのが懸命で強かな選択。 ○○さんのお陰で一人前になりました!というデキる後輩がいても「俺はなにもしてないよ。△△が勝手に上手くなっただけ」とでも言っておきましょう。何気なくね
技術レベルは普通でOK
どんなに好きな仕事でも、ずっと続けていれば途中で見たくもないほど嫌いになる時期が来ます。
そんな時は毎回毎回周りの人達に助けられてる自分がいました。
職場の同僚との何気ない会話だったり家族の明るい笑顔が支えだったり、親友と飲む時間だったりと、今では自分のすぐ身近な人達に対する感謝の気持ちで一杯なんです。
疲れてるとこの辺を忘れやすい
どんな会社に入るかよりも、職場でどんな人達と巡り会うかで人生は大きく左右されます。
そして、現役で仕事してる大先輩の方々は明るく仕事を楽しんでます。
仕事を楽しむのはもちろん、プライベートでもバッタリ会うと奥さんも御一緒で楽しそうな表情なんですよね。逆に目が死んでる大先輩達は歩き方もゾンビです。
人生充実してるな~
ってのは、一目でわかるんです(笑)
人間って、一人は好きだけと孤独には耐えられないようにできてると思う。
今の自分があるのは周りの人達のおかげです。この事に気付き、意地を張らずに肩の力を抜いて素直に感謝の気持ちで周りに接するのがマル。
人生を豊かにするのは、自分の周りにいる人達だと思うんです。
たかだか42歳の青二才が、受けた恩を少しづつ次の世代へ送ることを心がけてる今日この頃です。
真夏のギラギラ太陽の下で高温の溶接
だがそれがいい
前田慶次風
まとめ
〈入社年数別に必要なコト〉
入社一年目~ 勢い
入社三年目~ 感謝
入社五年目~ 謙虚
入社十年目~ 健康
〈年代別に必要なコト〉
10代~ 人柄
20代~ 人柄
30代~ 人柄
40代~ 人柄
50代~ 人柄
60代~ 人柄
ではでは、より良い溶接ライフを!