ティグ裏波溶接で検索すると様々な画像や動画があります。スマホひとつで貴重な情報が手元に届く、良い時代になりました^^
ここでパイプ溶接経験の浅い私が、同じようにTig裏波溶接の解説をしたところで皆さんの役に立てるとは思えませんので(笑)、今回は裏波溶接の欠陥画像をまとめてみました。
本来なら高品質な継ぎ手が要求される配管の溶接のはずが、それはそれは悲惨な欠陥品。
これが飯ウマになるかどうかはさておき(笑)、
「この失敗わかるわ~」
と共感してもらえたら…、ステキやん
裏波溶接とは?
ザックリ書くと、上の画像のように配管の外側を溶接して内側に溶接ビードを出すことです。
ステンレスSUS316L配管裏波溶接画像
まずは欠陥の無い裏波画像から。
裏波を出すことによって完全溶け込みとなり、強度、腐食性、耐久性などが確保され、高品質な継ぎ手となります。
ステンレスSUS316L配管溶接裏波欠陥画像
溶け込み不良の主な原因として、
- 溶接スピードが速い
- パイプ内面に段差がある
といった理由が挙げられます。
配管の下に潜って上向きで溶接する場合、溶接棒の送りが甘いとこうなりますね。
ラップがずれる
クレータ処理不足
配管内酸化
管内にアルゴンガスを充填させてから溶接するんですが、ウッカリ忘れるとこんな取り返しのつかない悲惨な結末に…。
通称花が咲くと言われる欠陥です。
花というか・・・、
ブロッコリーというか・・・、
ゴジラの背中に見えるのだが…
シン・ゴジラ面白い
私はJIS溶接試験に一度落ちてます。
管内にアルゴンガスをしっかり充填させてから溶接すると次のようになります。
裏波溶接合格画像
ルート間隔(開先の隙間)はゼロで溶接してます。
幅広く溶接し開先全体を溶かしこみます。
先に進みたくなるのを我慢して、ゆっくりと溶かしこみを確認しながら進みます。
この時のガスゲージは5。
※失敗した裏波溶接は、その後スタッフが責任を持っておいしくいただきました手直しさせていただきました。
最後に
元々溶接の才能が私にはありませんでした。
初めて受験したJIS溶接試験はアークの裏板無しでしたが見事に落ちてますし、Tig溶接のパイプではガスの出し忘れで酸化させてしまうということも経験してます。
そんな私が溶接仕事を続けてこれたのは諦めなかったからです。
人より数多く失敗した分、上手くいかない方法が自然と身に付き、失敗の無い仕事が出来るようになりました。
もしこの記事を読んでる方で「自分には才能が無い」と思っている方がいたら、どうか安心してください。
まずは上手く失敗するを意識するだけでいいですよ。
こちらはアルミ溶接で穴を埋めます。