初めてTIG溶接をするときに、どんなことに気を付ければいいのかって?それでしたらgoogleで検索して私の職場で実際に行っている方法をちょっとですがここで紹介します。
と、その前に基本的な事ですが、ステンレス鋼材表面の水分油分はアセトン等で、軟鋼表面の黒皮及び塗装部分はグラインダーで完全に除去しましょう。 これをしないとTIG溶接出来ませんのでしっかりと行ってください。
さて、誰もが大いなる初めの一歩を踏み出す。
基本的な事ですので、最後までお付き合い下さい。
はじめに
- 溶接機本体の電源ON
- アルゴンガスボンベのコックは開いてる
上記の状態で話を進めていきます。
溶接機本体(ダイヘン)にて
本体前面にスイッチが並んでいるので、左上から
TIG溶接
クレータ ➪有り
パルス ➪無し
と、なっているか確認します。
溶接機本体のガスチェックボタンを押す
同じく本体前面に「ガスチェック」があるので、ぽちっと押します。流量計のガラス管の球が浮くので、つまみを回してガスゲージ流量を「10~12」に合わせます。
ガスチェックのボタンを戻すのを忘れずに。
アースの取り付け
定盤にアースを取ると…、
ステンレスの場合は電気の抵抗率が軟鋼に比べて約7倍高いため、定盤(作業台)と溶接材の接地個所が熱を持つ場合があります。なので、溶接材と定盤はしっかりと固定するか、直接溶接材にアースを取り付けるようにします。
アースやスパーク痕について不安がある方は、アースの接地不良トラブルをご覧ください。
溶接の基本的な流れは以下の通り
1.スイッチを押す(初期電流)
2.スイッチを離す(溶接電流)
3.再びスイッチを押す(クレーター電流)
4.スイッチを離す(アークが切れる)
Tig溶接条件
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No.8ノズルでタングステンを7mm出した状態で溶接。
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初期電流 50A
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溶接電流 100A
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クレーター電流 30A
さあ、それでは
Let's 溶接('ω')ノ
初期電流
ノズルを静かに母材に置き、スイッチを押します。
タングステン先端と母材(材料)は絶対に接触させないこと
接触したらすぐに新しいタングステンと交換します。
スイッチを押したままにすると初期電流のままなので、ノズルの角度を徐々に起こしていきます。慌てずに、ゆっくりでいいですよ。
タングステンと母材の距離が約3~4ミリのところで溶接電流にします。
スイッチは押したままの状態です
溶接電流
タングステンと母材の距離が3~4ミリのとこでスイッチを離し溶接電流にします。
スッチを離すとき指に力が入ってると、反動でタングステンが接触してしまうので、トーチを持つ手がリラックスできるように腹式呼吸で練習しましょう。
溶接電流でのタングステンと母材の目安の距離は約2mmにします。
クレータ電流
再びスイッチを押すとクレータ電流になります。
手に力が入っていると、人差し指でスイッチを押したときの反動で、タングステンが鋼材に接触してしまうので、スイッチはゆっくり押します。
クレータ電流でのポイント
①押しながら溶接箇所の外側に逃げる。
②シールドガス(アルゴンガス)は最後まで充てること。
スイッチを離しアークを切ったら、ゆっくりと
1⇒2⇒3
3つ数えます。
溶接直後、アルゴンガスを充てずにノズルを離してしまうと酸化します。ティグ溶接において溶接欠陥である酸化は絶対にあってはならないもの。慣れるまでは必ず〘1,2,3〙と数えます。
ベテランの方でも、特に急いでいるときの仮付けはやってしまう時がある。グライダー処理して再溶接、という無駄な作業を増やさないようにアルゴンガスはしっかり充てること。
また、クレータ処理は溶接完了時の欠陥防止のために行うものです。割れなどの溶接欠陥が無いか目視で確認します。
最後に
以上、初歩的なことです。
溶接は覚えることが多岐にわたってありますが、焦らずに一つ一つ身に付けていきましょう。
また、溶接欠陥や溶接棒の酸化については以下の記事を参考にして理解を深めましょう。
ではでは、より良い溶接ライフを!