Project-Tig

右手にトーチ 左手に期待値を

【溶接する前が9割】正しい構えで腱鞘炎予防を!

 TIG溶接を始めたけど、実際何から練習すればいいの?と、悩んでる方がいると思います。

今日初めてトーチを触ったばかりなのに、
ローリングってのはな、こうして、ああして、%$(%”*~…。」
なんて、職場の先輩方に指導受けてる方…、これってホントに正しい教え方でしょうか?
(私もそうだったんですが…)

 

実のところ、溶接技術としては紛れもなく正しいです。  

しかし、教える順番としてはトーチを浮かせて溶接やローリングの前にするべきことがあります! 

 

それは、

 

  構 え

 

          です。

 

「そんな大袈裟な…」 

なんて思ってる方、もしこの先に書かれていることで新しい発見があるとしたら、読まない手はないですよね(^-^)

 

 パイプなどを溶接する上級者になればなるほど、溶接の構えをとった時点で、溶接完了後のイメージが出来上がっていて、後は自分の体を自動的に動かすだけになります。

 

そして、

 

 これから登るであろう「溶接技術」という名の大きな山の入り口に、自分の足でしっかりと立っている方たちへ。

 

近い将来、腱鞘炎に悩まされなくてもよくなるかもしれません。

 まだ若いから関係無いと思うかもしれませんが、いつか役に立つと思うことなので知っていても損はありませんよ。

 

工場内で溶接を一日継続させるために、楽な方法をまとめてみました。 

 

まずはこの

「構え」

読んでからでも遅くはありませんので、是非最後までご覧ください。

  

 

ティグ溶接の構え

トーチケーブルの掛け方

[良い例]

TIG溶接トーチの持ち方画像

右利きの方は、トーチケーブルを左肩にかけて背中を通し右手で持ちます。 

 

※トーチケーブルが破損していたり作業着が汗や雨などで濡れていると感電する可能性があるので、充分に安全を確認してから使用してます。

 

左利きの方は、

TIG溶接トーチの持ち方画像

こうなります。
ポイントは、ケーブルのたるみが腰あたりに来ることです。

 

[悪い例]

TIG溶接トーチの持ち方悪い例

たるみが膝まで来ると、ケーブル自体の重みで手首が疲れやすくなります( ゚Д゚)これでは長期間作業すると腱鞘炎(手首の痛み)の原因となるでしょう。

 

また、こうなると、

TIG溶接トーチの持ち方悪い例
非常に窮屈になり、作業性が大幅にダウンします(>_<) 

 

 

トーチの持ち方

ティグ溶接のトーチは大切な人の手を握るくらい優しく持ちます。

 腹式呼吸で体をリラックスさせた状態で溶接をすることで、疲れにくく、しかも綺麗な溶接ビードが得られます。

・簡単解決!画像でわかる優しいトーチの持ち方はコレ

ティグ溶接トーチのコツは女性の体に聞く 

溶接箇所と体の位置関係

[良い例]

TIG溶接トーチと母材の位置関係

初めは、溶接個所を自分の体のへそより利き腕側にすること。 

そして、両肩のラインとトーチの向きが平行になるように、構えさせます。  

 

[悪い例]

TIG溶接トーチと母材の位置関係

 へそのラインより出たところに溶接個所があると、画像のように体がねじれてしまい、上手く力のコントロールが出来ません。

 

ということは、ノズルがズルッと滑る原因になるわけです。

  

慣れるまでは
へそより、利き腕側
です! 

下半身の使い方

溶接個所が少し低いな、と感じたときについついやってしまうんですが、

TIG溶接悪い姿勢


膝がまっすぐ伸びたまま腰を曲げる。

これがじわじわと腰痛の原因になります。

 

では、どうしましょうか?

TIG溶接構え

両足を肩幅以上に広げます!  

こうすることによって、腰に負担をかけることなく安定した溶接姿勢を確保することが出来ます。

 

 

空気イスかよ! 

って突っ込まれる方がいるかもしれませんが(笑)、実際それに近く、太ももの裏側の筋肉を使い慣れてないと初めはキツイです(ーー;)

  

しかし、この仕事を長く続けるためには、

 

【腰回りの筋肉】【両足の太ももの筋肉】 

を上手に使い分ける必要があります。

  

しゃがんで溶接するときは?

片足の膝を立ててしゃがむと体が安定します。
トーチケーブルを肩にかける必要はありませんね(笑) 

 

 しゃがんだまま、前のめりで溶接すると腰が伸びてしまい、腰痛予備軍には非常に辛い姿勢となります💦

こまめに立ち上がり、ストレッチなどをして体をほぐしながら作業を進めるのがコツ。

 

溶接スタート

以上を踏まえてシグナルオールグリーン!

呼吸を整えて溶接スタート!

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最後に

  溶接機の調整や溶接個所の開先(かいさき)も含めたら、まだまだ項目はたくさんあるんですが、体の姿勢を中心に、最低限にまとめてみました。

 

この、溶接をスタートさせる直前の

 

 構 え

 

が、出来ていないと、ローリングはおろか、仮付けさえもままなりません(>_<) 

さらには、に溶接するためのな姿勢にも気付けずにいます。

 

腱鞘炎や腰痛には誰もがなりたくありませんよね。 

なぜ、楽にやらなければいけないのか?

それは・・・、 

帰ってから遊ぶためのエネルギーを温存するため 

長時間、そして長期間作業するためですよ。

(年金が65歳からとは限らない!) 

 

 溶接が好きな私でも、40歳を過ぎた体での長時間作業は段々シンドクなるんです。

 自分の体を効率よく使っていかないと、年金をもらえる歳まで続かないと思うんですよね。

 

 65歳を過ぎて、腰をさすりながら歩くか、シャキッと背筋を伸ばして元気よく歩くか、どちらがイイかはハッキリしてます!

 

確かなことは、 

私たちには、第二の人生がある 

ということ。 

 その為にも、溶接時の楽な姿勢を意識して作業を進めることが、自分の健康を守る第一歩になります。

 溶接工の健康についてもう少し知りたい方は健康的な職人を目指す一覧のも目を通してくださいね。

ではでは、より良い溶接ライフを!

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