溶接中にクシャミすると…、
へ…、へ…、へっくしっ!
ズババババッ!
アークストライクという名の欠陥に。
溶接のコツとして、リラックスが大事と過去記事で何度か紹介してきました。
体の力を意識し、調整することで綺麗な溶接ビードが生まれます。
さらに、長年の溶接姿勢による体の疲弊を、最小限に抑えることも可能なんです。
つまりは、溶接のコツ=体の使い方に繋がります。
花粉症のため、溶接中に「へっくしっ!」と、くしゃみのオンパレードだった私は、くしゃみを止めないと仕事にならない状態でした。
溶接中にクシャミしても手がブレない方法はあるのか?
今回は、箱ティッシュ片手に考え付いた?溶接中のクシャミの方法についてまとめてみました。
本人はいたって真剣ですが、さあ何人が最後まで読んでくれるかな?
溶接中にリラックスとは?
まず始めに、溶接中にリラックスとはどういう状態かというと、溶接中にくしゃみをしても、手がブレないぐらい力を抜いているということです。
良く耳にする言葉で「力を抜く」というのがありますよね。
コレは余計な力が入っていないということで、フニャフニャ全身の力を抜くわけではないんです。
具体的には、下半身+体幹+背中の筋肉で体のバランスをとり、肩、肘、手首は最小限の動きで溶接をします。
一応、念のために、具体的な力の抜き具合を表現するためのもので、溶接中にくしゃみすることを勧めているわけではありません。
くしゃみをする時の注意点
普通のくしゃみの流れとして、
①息を大きく吸う「へ、へ、へ…」
⇩
②息を止めて「へっくしょん」
これを次のようにします。
腹式呼吸で意識しながらおなかに空気をためます
「へ、へ、へ…」
⇩
息を吐きながら「へっくしい(う)」
にします。
んでは唇が閉じてしまい、息が吐きだされません。
そのため全身に力が入ってしまい手がブレてしまいます。また体にかかる圧力も相当なもので、まさかのギックリ腰になるときもあるので、吐く息は逃がす。
い(う)だと唇が開いて息が吐きだされます。
その瞬間腹筋に力を入れ、くしゃみの反動による上半身の動きを最小限におさえます。(ココ重要!)
- 胸部から上は脱力状態
- 腹部から下半身は緊張状態
になります。
くしゃみ前に少し息を吐くのもポイント!
※しゃがんでいるときは腰を悪くするので、立った状態で行ってくださいね。
溶接前のウォーミングアップ
来たるべき(?)くしゃみに備え、まずは立っているときの溶接中に次の項目を試してみてください。
- 軽く咳払い
- 片足を浮かせる
- 大きく咳払いをする
※腹式呼吸を忘れずに!
※アーク、半自動、TIG、どれでもOK!
上記の項目を(別々でOK)溶接中にクリアした方は、いよいよくしゃみ待ちだ。
溶接中のくしゃみの仕方
Tig溶接を例にすると、Tig溶接では両手を使っています。
クシャミの時は、①でやったように胸部から(腕を含む)上部は脱力していることが重要です。
さいごに
誰が溶接中にあえてクシャミするの?
と、思われる方も多いでしょう。
クシャミする前にアークを止めればいいだけじゃない?
おっしゃる通り。
長年似たような作業していると、無意識に惰性で作業することが多くなってきます。
果たして今の体の使い方は、自分にとって理想の動かし方なのでしょうか?
リラックスの具体的な内容として今回は「クシャミ」を例に書きましたが、身体に余計な力が入っていない楽な状態を自分で探すことがとても重要なんです。
溶接中は特に、目だけに集中して神経を使ってしまいます。
目だけに集中すると、体が前のめりになってしまい首や背中に疲労が蓄積されます。
それを防ぐためにも、溶接中の意識を自分の体全体に張り巡らしてみてください。
重心は足の指先orかかと?
重心は右足or左足?
足の筋肉はどこを一番使っているか?
一日中立ちっぱなし、しゃがみっぱなし等のつらい姿勢が多いと言われる溶接業界ですが、
その中で自分ができる何だろう?
と意識して考えると、自分の体を上手く使うコトが、好きな仕事を長く続けるコツだと最近は特に感じます。
溶接のコツとは体の使い方
……、
ここまでを改めて読み返すと、随分ヘンテコな記事の内容になってますね。自分でもヘンテコなことを考えながら溶接してるなとしみじみ思います。
そして、こんなヘンテコな記事を最後まで熱心に読んでいただいてる皆さんは、やっぱりヘンテコの仲間です^^
その熱意で是非ともご自身の体と会話をしてみてください。