Project-Tig

右手にトーチ 左手に期待値を

1-10 アースが熱いときの対処法を知る

 工場で溶接をしていると何やら焦げクサいイヤ~な臭いがしてきたので、ふとその辺を調べてみるとアースケーブルから煙が出てました!

CASE1.ケーブル全体が熱い場合

ティグ溶接200Aの電流、アースケーブルは40㎟、EC300のアースクリップを使用し溶接をしたところ、アースケーブルが高温状態になり白い煙が上がっていました。ゴムの焼けるイヤ~な臭い。

 

これは非常にまずい状態なので、溶接機の電源を一旦OFFにしてからアースケーブルを確認したところ、ケーブル全体が熱を帯びてる状態でした。放置すると火災の危険があるのでその場で対応することに。

 

原因はアースの容量不足。

対策としてはケーブルのサイズを40㎟から60㎟へ太くしました。アースクリップも300から500へサイズアップでしたところ、無事に治まりました。 

CASE2.アースクリップが熱い場合

CASE.1からしばらくして、ティグ溶接200Aの電流で、アースケーブルは60㎟+PSE500のアースクリップを使用し溶接をしたところ、アースクリップ周辺だけが熱い

電源をOFFにし、アースクリップを一旦外して確認する事に。

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素手で触るにはちょっと熱い。

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どうやら接地部分が汚れているので、これが原因で電気の流れが悪くなっているのかもしれません。グラインダーで研磨してから再溶接してみました。

 

 

、、、

 

 

まだ熱い!



次はアースクリップの端子部分。
よく見ると銅線が変色しているので、これが原因かもしれません。

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ケーブルを少し切断して新しい端子に交換する事に。


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すると、ようやく熱を持つことなく溶接が可能となりました。
ホッと一安心。  

CASE3.うっかりパターン

 溶接用アース接地不良によるスパーク画像

締め付けが緩んでアースクリップが外れてしまった場合です。

 

画像ように接地面積が少ないまま気が付かずに溶接していると、短い時間で高温になり非常に危険です。うっかりでは済まないのでアースは衝撃や振動などで外れないようにガッチリ締め付けます。

 

以上、CASE.1、2、3を紹介しました。

アースが熱を帯びることはありますが、手で触ることが出来ないほど高温になるのは異常で、火災や感電の災害に繋がります。交通渋滞に似ていて、道路の幅が広いと渋滞が起きないように、適正な太さのケーブル、クリップを使用すると、電流はスムーズに流れてくれます。

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