職場に中国人の実習生が一人、新しく配属となり、スマホの翻訳アプリが、ドラえもんの翻訳コンニャク並に役立っております。進化ってすごいね。
さて、中国語と日本語が飛び交うインターナショナルな工場となりましたが、この画像は、中国人の彼がローリングで溶接したものです。
お世辞にも上手いとは言えませんが、ティグクエストローリング編をクリアすると、こんな感じになりました。
バッチリですね。
そりゃ中国人の実習生も、満面の笑み!
ローリングが失敗する理由は二つあります
①技術的に真っ直ぐに進めない
②溶接中の溶け込みに自信がなく、迷走してしまう
この二つの理由があるわけで、今回は②の「溶接中の溶け込みに自信がなく、迷走してしまう」を解決するティグクエストです。
ローリングを始めた頃は誰もが悩むポイントですが、これは体が直線に進むことに慣れていないだけです。なので、直線にしか進めない状態で溶接をすれば良いわけです。
そこで、今回使用する鋼材はこちら。
使用するステンレス鋼材
アングルを背中合わせにして仮付けします。無ければ、前回使用したフラットバーでもいいのですが、溶接部分が開先形状になっているアングルの方が、溶け込みが非常わかりやすくなります。
アングルの厚さは5㎜×2で10㎜。ここの工場では8番ノズルが主流です。このアングルの背中合わせを、溶接棒を使って溶接していきます。
【溶接条件】
下向き、立ち向き溶接
電流 100A~110A
溶接棒 Φ2.0
ノズル 8番
溶接距離 約10㎝
ローリング溶接
【ローリング溶接画像】
あまりにも奇麗な溶接ビードなので、元々中国人の彼は上手なんじゃないの?と思われるかもしれませんが、実はこれ、このアングルを背中合わせにしたものが、非常に溶けやすい状態なんです。なので、誰でも奇麗に溶接できちゃいます。
その後、再びローリングさせると、、、
何かコツをつかんだようです。彼の満面の笑みを見るのが、指導するこちらの嬉しい瞬間です。
何故?の解説は、またの機会にするとして、もしローリングの最中に途中でノズルが滑ったり腕が窮屈になってしまう人は、溶接開始時の「構え」について確認しましょう。
難易度的には決して難しくありませんので、「直線的に進む練習+溶け込みを認識する」がわかりやすいこのクエストを実践していけば、いつの間にか上達し、自信をもって溶接に向き合うことができます。