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Tig溶接でLV.99を健康的に目指すブログです。 春ですね!

【ステンレス薄板溶接①】箱ものは外から溶接?中から溶接?~外から溶接編~

 仮付けも終わり、いよいよ溶接をする段階に来ました。

 薄板の箱もの溶接では、歪みの影響を受けないのであれば、というか、溶接全般に言えることなんですが、溶接しにくい内側から始めるのが基本です。

  しかし、ここで、

「せっかくの薄板溶接だから、違った角度からのアプローチで溶接した方が、ブログの記事にできるかもよ。フフフ。」

 

『、、、なるほどぉ!良いこと言うじゃん。』

 

と、心の中のブラックめたるに、ブログのためとはいえ、魂を簡単に売り飛ばす私。渋々、というのは真っ赤な嘘で、喜々として外側から溶接することにしました。エヘ。

 

 作業性を考えれば、内側から溶接した方がいいのですが、ま、とりあえずやってみましょう。

※例により、画像の一部しか掲載できませんので、ご了承ください。

箱モノの外側溶接?内側溶接?

「箱もの」というのは、その名の通りダンボール箱のような形で、一枚の板をコの字に曲げ、両側を板でふさいだものです。箱の外側は角継手(かどつぎて)溶接となり、内側は、すみ肉溶接となります。

【外側から溶接条件】

  • ステンレス薄板2㎜角継手(かどつぎて)
  • 溶接電流140A
  • アークを切りながら断続的に溶接
  • 溶接棒なし

 

 溶接始まりは外側センター付近からで、入熱量が過多にならないよう、両サイドに10㎝ほど交互に進んで行くことにしました。

 ステンレス薄板溶接

外側角継手の溶接

 

片方を溶接したら、反対方向を溶接、という具合に徐々に進んでいきます。

 

 外側を溶接してから内側を見ると、所々に酸化のイボイボがウニょっと飛び出てる。

ステンレス薄板溶接

進むペースが早すぎた、、、

 

 この次の行程は内側の溶接なので、溶け込みを邪魔する酸化のイボイボを、グラインダーの切断刃でカリカリ。。。

ステンレス薄板溶接

 切断刃の厚さは1㎜なので、こういう細かい箇所を削るのには便利です。

 酸化箇所を除去してから、内側の溶接を始めます。

ステンレス薄板溶接

 

 この程度⇩なら、内側の溶接に支障はないので一安心。とはいえ、せっかちな私が溶接スピードを抑えて進むのには、かなりの忍耐力が必要でした。 

ステンレス薄板溶接

 

 溶接熱により、特に歪むことがないようなので(見た感じ)、外側一辺20㎝を溶接してから、内側一辺を溶接する方法に切り替えました。

 

 次は内側を溶接。

【内側溶接条件】

  • ステンレス薄板2㎜すみ肉
  • 溶接電流140A
  • アークを切りながら断続的に溶接
  • 溶接棒 Φ2.0㎜(肉盛り指示)

 

ステンレス薄板溶接

 外側を溶接した際の影響なのか、溶け込みがだいぶ鈍くなっています。スムーズに「トクン」と溶けてくれない。かまわずに進んでいきます。

 

内側溶接完了後に、外側を確認してみると、

おっ!良さげ。

ステンレス薄板溶接

と思ったのも束の間、グラインダーで溶接焼け(色の付いた箇所)を取ると、

 

良く見たら、

ステンレス薄板溶接

 

凹みぃ~~

ステンレス薄板溶接

内側を溶接した際に、進むスピードが早く、余計な熱が加わったようです。

ここにも。

ステンレス薄板溶接

 薄板溶接の難しさは、こういうところなんだよなぁ。

 

溶接棒で埋めてから、

ステンレス薄板溶接

グラインダーをかけて補修完了。

 

 内側の溶接と、外側の溶接。どちらが簡単かといえば外側の溶接です。内側はスペースが狭く、特にコーナー部分は見えないため、まあまあ、やりにくい。

 歪みの影響を受けないのであれば、溶接の順番として適切なのは、「やりにくい方から溶接する」のがベターですね。

 

 また、アークを切りながら断続的に溶接していく作業が、非常~~~に、眠い!

 

パチッ、、、パチッ、、、パチッ、、、という単調なリズムの連続で、始めは集中してたのが、何十回と繰り返すうちに段々と、

 

ウトウト、ウトウト、、、

 

まぶたが意思とは関係なく下がってくるんです。

 

先日、読者の方から、

『この画像は自分が溶接したものなんですが、SSめたるさんから見て、いかがでしょうか?』といった内容のメールが届いたんですよ。

 磨きのかかった綺麗なステンレス薄板を溶接したものでした。その溶接がですね、めっちゃ綺麗なんですよ。溶接ビード一枚一枚が定規で測ったように等間隔で、余程の技術と集中力がなければ、出来ない仕事ぶり。思わず、ウットリ見とれてしまいました。

 ティグ溶接を初めて一年半ぐらい、と教えていただき驚きましたが、薄板溶接でその域に至るまでの過程を想うと、言い表せないほどの努力があったんだろうなと感心します。私なんかは、まだまだですね。

 

 !!!

 

 ここまで書いて気付いてしまったんですが、メールを送ってきてくれた彼が、今回の薄板溶接の画像を見たら、私がそんなに上手くないのがバレちゃいますね。背伸びしてもしょうがないので、これはこれで、ま、いいか。

 

 ダラダラ書いてしまいましたが、薄板溶接を生業としてる方々は、集中力と忍耐の継続が半端ないッ!ということが今回の薄板溶接で良くわかりました。

 

「何でパルス使わないの?」 

といったご意見も、あると思いますが、パルス編はまた別の機会に更新する予定です。

 

 さて、次回の薄板溶接は「内側から溶接」になります。