ティグ溶接には空冷式と水冷式があります。
空冷式は溶接機本体とトーチケーブルのセット。
水冷式は溶接機本体+循環器+水冷式トーチケーブルのセットになります。
一般的に使われるティグ溶接機は空冷式の事を指すので広く知られていますが、水冷式はその存在自体があまり知られていないようです。私も今の職場で初めて水冷式を耳にしましたし、不馴れな為にトラブルで対処に困った経験があります。
なので、ここで一旦水冷式のトラブルをまとめることにしました。
トーチケーブルが磨耗で破裂
溶接中の動きで、トーチの柄の部分とケーブルが擦れて徐々に露出してきます。ケーブルが破裂してから交換すると 非常に時間がかかるので、こまめに点検を。
トーチケーブルに穴が開く
何やらケーブルカバーが滲んでいたので外して確認すると、カップブラシのワイヤーがホースに刺さって漏れてました。長さ1㎝ほどの細いものなんですが、どういうわけかカバーをすり抜けてしかもホースに刺さるという悪い方向に偶然が重なりました。即交換です。
冬期は冷却水が凍る場合もある
気温が氷点下になる地域では、冷却水を水道水のままにしていると凍るので注意が必要です。
ここは寒冷地で、工場内とはいえ外気温とあまり大差ないので、冬はメーカー指定の冬流水を冷却水として使用してます。
水道水を使うときはカルキ取りを入れるのをお忘れなく。
循環器ポンプが回らない
スイッチを入れて循環器ポンブが回っていない場合は、溶接機本体の異常ランプが点灯します。
過去、メーカー指定以外の冷却水を使用した時に発生したトラブルです。
解除方法は、サーマルプロテクターが飛び出してロックがかかっているので、押し込んでロックを解除します。
次に、マイナスドライバーでクルッと回すとポンプが回り始め、異常のランプが消灯します。
これもメーカー指定以外の冷却水を使用した時に発生したトラブルです。
ポンブ本体から漏れ
循環器の下が何やら湿ってると思い中を確認すると、ポンプの繋ぎ目からしずくが落ちていました。
これもメーカー指定以外の冷却水を使用した時に発生したトラブルです。
問い合わせて確認したところ、メーカー指定以外の冷却水を使用したり他メーカーの冷却水と混ぜて使用した場合、ポンプ内のパッキンが腐食し漏れの原因になるとのことでした。
以上。
より良い溶接ライフを!