ども、Tig溶接歴17年のSSメタルです。
右利きの私ですが、数年前から左手にトーチを持ち変えて溶接し始めたんですが、これがなかなかの違和感だらけ。
中でも溶融プールにピントが合わなくて『俺ってこんなに視力悪かったっけ?』と思うほど。よく見えないし、遠近感もおかしい。
右手で溶接するには視力的に問題無かったんですが…。当時はテンデ訳ワカメ。
一体何が違うんだろう?
そこで今回は、左手で溶接したからこそ気付いた溶融プールの見え方についてまとめてみました。
利き目とは?
人には二つの目がありますが、左右どちらか使いやすい方を「利き目」と呼ぶようです。利き手や利き足と同じように目にも使いやすいほうがあるんですね。これは人によって異なるようなので早速調べてみましょう。
利き目の調べ方
①まずは対象物(この場合は壁に掛かっている湿度計)に向かって人差し指を向けます。両目で対象物にピントを合わせます。
②そのまま左目を閉じます。
湿度計と人差し指が合ってますね。
③今度は右目を閉じて左目で見ます。
湿度計と人差し指が大きくずれてます。
結構ビックリ!
画像と同じパターンの方は右目が利き目となり、反対の方は左目が利き目となります。以上が利き目の調べ方になります。これらを良~く覚えてから続きをご覧ください。
利き手&利き目による溶融プールの見え方
次の画像は片目で見た時の溶融プールの画像です。わかり易くするために本来の溶接中の画像とは異なりますがご容赦ください。
まずは利き手である右手にトーチを持って溶接している時の画像をご覧ください。
右手でトーチ&利き目(右目)だけで見ている状態
タングステンの先端が見えていますね。
右手でトーチ&左目だけで見た画像
左目だけで見た時も特に問題はありません。
右手&それぞれの片目で見てもタングステンの先端は見えています。
今度は左手トーチ&右目
左手トーチ&左目
はい。ここです。
片目をつぶって溶接してみたら気付いたのですが、利き手ではそれぞれの片目で見てもタングステンは見えていましたが、左手トーチでは左目だけで見た場合、タングステンが見えていなかったんです。
これってどういう事かというと、利き手じゃない方でトーチを持って溶接した場合、知らず知らずのうちに利き目である右目のみで溶融プールを見ていたわけです。
いくら利き目とはいえ片目のみでは視力は落ちてしまい遠近感も掴めず対象物を立体的に捉えることができません。これがトーチを左手に持ち替えてから感じ続けた違和感の正体だったんです。
まとめ
ここまで読むと当たり前と思うかもしれませんが、本人は一生懸命でなかなか気が付きにくいんですよね。でも利き目の調べ方を試して驚きませんでしたか?右目と左目のずれの大きさに「え?こんなに違うもんなの?」と私はビックリ!
正直に言いますと、慣れてくるとタングステンの先端が見えなくてもTIG溶接は可能なんですよ。溶融プールの光り方や溶け具合でわかってしまうものなんです。ただやっぱり始めのうちは良い状態で溶接したいですよね。
ということで、私が左手にトーチを持ってから感じていた溶融プールの見えにくさは、
利き目だけで見ていたからだったんです。
見ているようで実は両目で見ていなかったんですね。
トーチ右手で利き目が左目の方。
トーチ左手で利き目が右目の方。
ややこしいな
溶融プールが見えにくいなと感じたら、もしかしたらこの辺に原因があるかもしれませんね。
今回はこの辺で。
ではではより良い溶接ライフを!
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溶接面の遮光ガラスは種類が豊富。明るすぎると長時間の溶接では目が痛くなり、暗すぎると溶接線が見えなくなります。見え方は同じようで人それぞれ。自分流の視認性を確保することは、技術を生かすことにつながります。