トーチは軽く握る
とは言うけれど・・・。
TIG溶接を始めた頃は、誰しもノズルがズルッと滑って酸化させるといった経験があると思います。
一生懸命ローリング*1しても手がプルプル震えたり、ノズルの先端がカキカキと音がしたり・・・。
ズボフッ!
『またかよぉ…』
と、ため息の連続。ステンレス鋼は酸化するしアークストライクは発生するし
もうイヤ!
という方々へ向けて、ティグ溶接における簡単で分かりやすいトーチの持ち方を画像と一緒にお届けします。
ノズルの滑る原因
失敗する原因のほとんどが力み過ぎです。
例えば重いものを持つとき「せーーのっ」で思いっきり息を吸いますよね。反対に力を抜く場合は「ハァーーー」と息を吐き出します。
力を入れるときは息を吸う
力を抜くときは息を吐く
ということになります。
冒頭でノズルが滑る話をしましたがほとんどの人が失敗する原因は力み過ぎです。
溶接する際に手や腕に余計な力が入りノズルの動きをぎこちなくしていると感じたら、少しずつ息を吐きながら溶接してみてください。
溶接時は上半身をリラックスする必要があるんです。
トーチの持ち方
では、Tig溶接においてトーチはどのくらいの力加減で握ればいいのでしょうか?
トーチは、
赤ちゃんの手を握るくらい
優しく持つ
優しくですよ。
こちらがその画像⇩
(わかりやすくする為に、皮手袋は脱いでます。)
ポイントは
トーチの重みを、指の腹で支える
です。
最初はこんな感じでギュッと持ってしまいますよね⇩
最初はOKです。
これを、⇩画像のように
慣れて来たら、さらにこう⇩
息を吐いて、体をリラックスさせた状態を意識して持つのを忘れずに。
最後に
ここまで出来るようになると、
肩や首、腰への負担も相当軽くなり、
一日の作業がだいぶ楽になります
同じ作業でも、力の入れ具合で疲労が溜まりにくく長時間できるようになるのであれば自分の体にも優しいですよね。
何より腱鞘炎の予防にも繋がります。
今のうちから体を楽に使う感覚を意識するだけでも、65歳までの溶接人生を快適に過ごせるのではないでしょうか?
65歳まで溶接仕事を長く続けたい方は健康的な職人を目指す一覧にも目を通してくださいね。
ではでは、より良い溶接ライフを!
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*1:ノズルの先端を回して、前に進むこと