さてさて今回は、すみ肉溶接の上級編になります。とはいってもCoCo壱の3辛くらいでしょうか。
前回よりさらに難易度が高くなっています。ノズルを上手く滑らせないと「ズバババ~ッ」とアークストライクだらけになってしまいますのでご注意ください。
前回⇧は溶接ラインが直線でしたが、今回は溶接ラインが曲線になっています。どちらかといえばパイプのフランジ外周の溶接に似ているかな。
まあ、細かい話は抜きにして、
早速イッテミマショウ!
準備する鋼材
使用した鋼材の厚みは全て9mmのステンレス鋼材です。
これは⇩ポンチで穴を開けた際に出るスクラップ材。
本来ならばスクラップのところを練習用として再利用する事に。
すみ肉溶接用仮付け
まずポチポチッと仮付けを。
すみ肉溶接中はココを見てる
すみ肉溶接では赤い印の溶け込み具合、すなわち溶融池を確認しながら溶接を進めていきます。
後半に紹介している反時計回りに溶接するでは、この溶け込みの半分が見えない状態になってるので難易度が高くなっているというわけです。
時計回りに溶接してみる
溶接条件
- 電流150A
- 溶接棒2㎜
まずは時計回りにぐるっと一周します。
母材はそのままの位置で固定し、体を少しづつ移動しながら一周します。
前回のような直線に進む練習とは違い、円に沿って進むので、更にノズルが滑りやすくなります。
静かに優しくトーチを振りながら体を移動させるのがコツ。
15Aパイプのフランジ溶接に似ていますね。
反時計回りに溶接してみる
今度はこちらの画像ように半時計回りで溶接を。
半周で一旦止めます。
横から見ると視線の角度がこのようになります。
ここが今回一番のポイント。
上から覗き込むような姿勢になるので、手前の溶け込み(画像の赤い部分)↓が全く見えません。
なので、溶接中は溶接プールの色で溶け込みを判断して溶接を進めます。
ここでの目標は、アンダーカットやピンホールが無いことは勿論、「時計回りで半周+半時計回りで半周 」の2回で溶接完了とする事です。
アンダーカットになる場合
トーチの振り幅を大きくするとアンダーカットの原因になるので、振り幅は小さく細かく進むのがコツ。
緑の矢印は自分の体を進ませる方向と距離です。
だいたい1/4周ほど進めば、半周は溶接出来ます。
そして溶接終了⇩
矢印の方向に溶接しているのが、ビードの向きでわかるかと思います。
トーチを持つ手に力が入っている状態では決して上手く進めません。
最後に
今回の練習内容は、
①時計回りに一周
②時計回りで半周+半時計回りで半周
といった内容でお伝えしてきました。
時計回りに溶接するだけでも難易度は高いです。必ずと言っていいほどノズルが滑ってアークストライクとなったり、溶接棒が切れたりします。
そしてそして、さらには反時計回りに溶接するとなると、さらに難易度がアップ。
わざわざ難しいことしなくてもいいじゃんって思われる方がいるかと思いますが、これにはちょっとした秘密があります。その辺は長くなるので気になる方は⇩の記事をご覧ください。
ではではより良い溶接ライフを!