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右手にトーチ 左手に期待値を

13‐02 溶接ヒュームによる健康障害が超ヤベーのでさわりだけでも理解する

 溶接ヒュームとは、アーク熱によって溶かされた金属の高温蒸気が大気中に放出され、急速に冷却されて出来た固体状の粒子の事です。

これがまあまあ体に悪影響。

 溶接中に発生する目に見える煙だけでなく、目に見えない微細な粒子も存在するため、屋内で溶接する際は保護マスクの使用は勿論、充分な換気が必要なんです。

工場内に停留する溶接ヒューム

風邪をひいた時のマスクでは目が粗いので、ヒュームを簡単に吸い込んでしまいます。

 人体にヒュームが入り込んだ場合、ヒュームの大きさにより体外に排出されるか決まってしまうようで。

  • 5μm以上、鼻毛や器官のせん毛で取り除かれる。
  • 0.5μm以下、肺に入っても体外に吐き出される。
  • 0.5~5μm、肺に入って末端の細胞に沈着し、人体に影響を及ぼす。

 

 ヒュームの発生直後は0.1μm程度の極めて小さい粒子。その後一次粒子が凝集して、1μm前後の二次粒子になる。

 つまり二次粒子の大きさでは一度体内に吸い込むと、体外に排出されず、蓄積されるままという、悲しい結果が待っています。

溶接ヒュームの健康障害

ヒュームを多量に吸入した時に生じる障害は、吸入後短時間に生じる急性症状(金属熱)と、長期にわたって蓄積された結果生じる慢性症状(じん肺)に大別されます。

 

【金属熱】

代表的な急性症状の一つ。作業中からその日の夜までの間に、全身のだるさ、関節の痛み、悪寒、頭痛、吐き気…等の症状が出る。メッキ溶接後の亜鉛中毒のようなもの。翌日には症状が改善されます(経験済み)。

 

【じん肺】

数年間吸入した結果、生じる慢性症状。

じん肺の初期の多くは自覚症状が無く、検査によって障害の程度が確認されることが多いため、定期的な検診が必要。 

じん肺について根治の記録はない様子。なので一度発症したら治らないということ。 

じん肺が引き金となり様々な合併症を併発するため、将来絶対にかかりたくない病気の一つです。

溶接ヒュームの対策

屋内で行うアーク溶接作業は、「粉じん障害防止規則」で「粉じん作業」と定義されていて、作業の際には全体換気による換気の実施及び溶接作業者に対する呼吸用保護具の着用が義務づけられています。 

要は換気と防塵マスクしろってことですね。 

【全体換気装置の工夫】

溶接後に発生したヒュームは上昇するが、屋根の排気ファンの吸引範囲まで届かない場合がある。 

この停留ヒュームを排除すべく、小型、中型の送風機を屋根の排気ファンに向けたり壁の換気扇に向けたり、工場全体の空気の流れを確保する。 

 

【呼吸用保護具の着用】

一般的なのが防塵マスク。 

防塵マスクを着用する際は以下の点に注意。
①フィットチェッカー等により密着性が良好かを確認する。
②「接顔メリヤス」基本的には使用しない。
③国家検定合格品であること。

 

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