久しぶりに薄板の溶接を頼まれました。
厚さ2㎜のステンレス板をティグ溶接で箱ものを製作し、さらには、径22㎜もある取手をつける、といった感じです。どんな設計だ?
薄板の溶接って何年ぶりだろ、、、
前回は、ステンレス2㎜薄板と22㎜丸棒の溶接のポイントを思い出しながらまとめましたが、今回も忘れてしまっているステンレス薄板溶接のポイントをおさらいしながら、まとめていきたいと思います。
薄板、中板、厚板の分類
一般的に、厚さ6mm以上のものを「厚板」、3mmから6mm未満を「中板」、3mm未満のものを「薄板」、として区分しているようです。
ちなみに造船所で行われているNK溶接試験では、板厚9㎜は薄板に分類されていますので、ややこしいですね。
今回は板厚2㎜の薄板、仮付け溶接になります。
例により他の班から回されてきた薄板の溶接で、私のところに来たときは、仮付けが終わっていた状態でした。
都合により、全体画像は載せれませんので、一部だけ。
茶色く変色している箇所が、外側から仮付けした所。
画像のように、仮付けの間隔が広いと、溶接の途中でほんのわずかに、隙間が広がる可能性があったので、仮付け箇所を少し増やすことにしました。
薄板を仮付けするときのポイント
【仮付け溶接する順序】
基本通りに、センター部分から外側に向かって、交互に仮付けを進めます。
【隙間を絶対に開けない】
薄板の溶接では、板同士の隙間があると、簡単に裏側の酸化イボイボが出来てしまうので、わずかな隙間も作らないように仮付けしました。
特に、コーナー部分には隙間が出来やすいので、
打撃により潰します。
ステンレスの仮付け溶接は、細く、長く、が基本ですが、薄板の場合はそうもいかないので、点付けを細かいピッチで溶接することに。
この点付け自体も、気を抜くと裏側に酸化イボイボが出来てしまうので、素早く溶接しなければならない為、気を抜けません。電流の設定やタングステンの距離など、最低でも、この↓練習ドリルが簡単にできるようになっておきたいところ。
もし、裏側の酸化イボイボが出来てしまったら、グラインダーの薄~~い切断刃で、カリカリと削ります。
仮付け完了画像をお見せできないのが残念ですが、仮付け編はここまで。
次回は本溶接編の「箱もの薄板溶接、外側から溶接?内側から溶接?」に続きます。
酸化イボイボ⇩