Project-Tig

Tig溶接でLV.99を健康的に目指すブログです。 春ですね!

スベらないローリングで綺麗なビードを【3つの盲点】

 ティグ溶接でノズルがズバババッと滑ってステンレス材が酸化したことはありますか? 

 ティグ溶接を始めた当初は「力を抜いてリラックスリラックス」と言い聞かせ、さあやるぞ!と溶接を始めた途端にズバババッてなことになってました。

 

 結果、溶接個所は無残にも真っ黒、、、

 

 ティグ溶接では致命的なことで、滑って酸化した箇所はグラインダーで確実に削らないと溶接欠陥となります。 

 

 ノズルが滑る主な原因は力の入れすぎに関係しています。しかし、力の入れすぎ以外にも無意識のうちに見落としていることがあるかもしれません。

 

 今回はそんな方々へ向けて、ローリングでノズルがスベらないための3つのポイントをまとめました。 

 決して特別なことではなく、全てが基本的なことでとても簡単な事です。

 

 ティグ溶接だけでなく、被覆アーク溶接や半自動溶接で思わず力んでしまう方にも是非読んでいただきたい内容です。

Tig溶接快適なローリング3つのコツ

ノズルが滑らない為の3つの改善策 

1.腹式呼吸 

2.ケーブルはストレート 

3.溶接ポジション

以上の3つを順番に解説していきます。 

1.上半身の動きを最小限にする腹式呼吸

 腹式呼吸と聞くとリラックス効果を思い浮かべますが、ここでは+αとして上半身の動きを最小限にするための意味合いを持ちます。

 

 例えば、膝の高さで平付けローリングをするとします。

 

 しゃがむ、又は腰かけた時の構えは、両脇が少し空いている状態になっていると思います。この状態で胸式呼吸(胸を膨らませる呼吸法)をすると肩が上下して肘から手首に力が入ってしまい、ノズルが滑りやすくなります。Tig溶接は繊細な動きを必要とするため、肩から腕全体にかけて余計な運動が入るのは好ましくありません。

 

 一方、腹式呼吸では腹部が膨らむだけなので肩の上下は生まれません。勿論リラックス効果もありますので、慌ただしい作業中とは思いますが一度気持ちを落ち着かせるためにも、又、尚更余計な力が入らないようにするためにも、溶接前、溶接中は腹式呼吸をおすすめします。 

f:id:ssmetal:20161110210453j:plain  

 かつてはあれこれ考えすぎて体がスムーズに動いてくれなかった経験があります。

 それが、腹式呼吸でリラックスし「頭が空っぽ状態」のほうが意外とうまくいく場合が多かったんです。どうやったらうまくできるんだ?と、お悩みの方は是非一度試してみてください。  

2.トーチケーブルはストレートにする

 トーチケーブルの捻れは残さないのが鉄則です。

ローリングでノズルが滑らないための対策

 ⇧この画像は極端な例ですが、少しでも捻じれが残ったまま溶接を開始してしまうと、溶接の最中にもトーチケーブルが捻じれを戻そうと回転する力が僅かに働きます。その僅かな力を押さえつけようと無意識のうちに手首に不要な力が入ってしまいます。 

トーチケーブルの捻じれゼロを確認する方法

 簡単な確認方法があるのでご紹介します。

①実際に溶接する角度でノズルを溶接箇所に置きます。

②次に⇩の画像のように指三本を離し、残りの指二本だけにします。

ローリングでノズルが滑らないための対策

 この時に少しでもノズルの角度が変わればその方向に捻じれの力が残っていたことになるので、指を離した時にノズルの角度が変わらなくなるまでトーチケーブルをストレートに調整します。 

トーチの重さや反動を軽減するために

 ローリングではトーチケーブルも一緒にグルグルと回ってしまいます。これが体に当たったり作業台にぶつかったりと結構な反動になります。

 さらに、腰の高さや胸の高さでそのまま持ってローリングをするとトーチケーブルの重みで手首が疲れてしまうので非常に手首を痛めやすいです。こちらの記事でも紹介したように、  

 トーチケーブルを肩にかけ手首からケーブルの長さを調整すると、ローリングしやすい構えとなります。

 また、S字フック等を溶接しやすい高さに調節すると手首が軽くなり、非常に快適になります。 

3.溶接ポジションを確認する

 溶接ポジションとは自分の体と溶接箇所の位置関係の事です。

 右利きの場合になりますが、ローリングでの溶接箇所を、自分のヘソ前から右へ10㎝の長さだけにします。最初はこの範囲内でローリングの練習をスタートし、徐々に溶接範囲を広げ自分の溶接しやすい場所、溶接しにくい場所を体で覚えます。

 

 さらに付け加えると、溶接時は溶融池を覗こうと無意識のうちに前傾姿勢になりやすいのでノズルが滑る原因になります。頭を動かさないことを意識しながら、ヘソ前から右へ10㎝の範囲でローリングの練習を行うことをおすすめします。

最後に

まとめると、 

1.腹式呼吸
2.ケーブルはストレート 
3.溶接ポジション

以上の3つになりますね。

 

 ローリングが出来なかった当時は回すことだけに夢中になってしまい、今回挙げた基本的な3つの事をおろそかにしていました。

 

 今回の記事のため、実際に自分でローリングしながら無意識に気を付けていることに意識して拾い出し、分かりやすくまとめてみました。 

 やはり、溶接中の注意点というよりは、溶接前の準備で大方決まるというのが正直な感想です。

 

 仕事の段取りで当日の作業が決まるように、溶接開始前の準備も重要なポイントになります。

 

 ティグ溶接では「ローリング」となると、とかくノズルの回し方に焦点が行きますが前段階の「準備」にも気配りをして、ストレスフリーなローリングを目指してみてはいかがでしょうか。

 

それでは今回はこの辺で。

ではでは、より良い溶接ライフを!