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右手にトーチ 左手に期待値を

【溶接上手い人の特徴】縦の比較と横の比較とあと一つ

「溶接脳を鍛える」久しぶりの更新です。

 

今回は溶接が上手い人たちが実行している、上達のための『縦の比較、横の比較』について、自身が感じていることを書いていきたいと思います。

※当ブログでは溶接技術を向上させたいと思う方に向けて、自身の20年以上に渡る経験を元に読んでいただく方の役に立つ情報を発信しています。

 

それでは行ってみましょう! 

縦の比較について

縦の比較とは、「今の自分と過去の自分」を比較する事。自身のの溶接を比べて、どれだけ上手くなっているのかを確認することです。

 

方法は至ってシンプルで、その日の溶接で上手く出来た溶接とヘタッピな溶接をスマホで撮影します。

毎日です。

 

毎日撮影してると画像がかなりの量になるのでまとめるのが面倒になりますが、数週間してから過去の自分の溶接と見比べるとあら不思議。

 

上手くいった溶接は、自分で見てても気持ちが良いので「俺って天才じゃね?」といった自信に繋がってきます。1人でニヤけちゃいましょう。

 

ヘタッピな溶接は大抵はノズルが届かない狭い箇所だったり、姿勢が不安定な状況での溶接で、「ここはどうしたら綺麗に溶接出来るんだろう」と一歩深く考えるキッカケにもなります。

 

上手い溶接もヘタッピな溶接にもちゃんとした理由があるので、まずは「なぜ上手くいかない?」と疑問に思うことから始めてみて下さい。

 

縦の比較を繰り返すことによって、1日の中で上手くいく箇所は徐々に増えていき、ヘタッピな溶接箇所は徐々に減っていきます。

 

後から見返した時に、こんな時期もあったんだなと思う事があり、話のネタとしても使えるので画像はたくさん撮っておきましょう。

 

プラント等の敷地内では撮影厳禁な場所もありますので、溶接の撮影にはくれぐれもご注意ください。

溶接上手い人の特徴 

横の比較とは?

横の比較とは、「自分と他人」の比較のことです。

 

工場內でも現場でも構いませんので、他の職人さんと同じ条件で溶接したものを見比べます。

 

最初は自分より下手だな、自分の方が上手いなくらいしか分かりませんが、数をこなしてくと脚長はこのくらいかとか、ここでラップしてるなとか、このビードはターンテーブル使ってるなとか、細部の溶接条件が色々分かってくるので、上手くなるためのコツみたいなのが見え始めてきます。

 

同じ条件で溶接しても人によってはウィービングの幅やスピードが違いますし、ビードの踊り具合も変わってきます。職人さんの性格が出てしまうところがビードの面白いところですよね。

 

最終的にはパッと見ただけで、カチ上げなのか下向きなのかといった溶接姿勢や溶接電流まで見えてきます。

 

もし他人の溶接とどうやって見比べるのかイマイチわからない人は、こちらの記事を参考にしてみてください。

 

blog.sus-metal.com

 

 

溶接を始めて半年か1年くらいの時に、周りの先輩方に「上手くなったねぇ」と言われた時期がありましたが、自分では『いや、皆さんに比べたら全然へたっぴですけど、どこが?』と感じていました。

 

周りの先輩方は、数カ月前に比べて上手くなったねぇと教えてくれてたのに、私は単純に上手い人と比べて落ち込んでたんです。

 

今の自分と比較する時は「縦と横の比較」を意識しないと、私のように無駄に落ち込んだり、次のように心を削られることになります。

これだけはやめた方がいい比較

比較は比較でも、SNSで投稿された他人の画像と比べるのは絶対にやめたほうがいいです。

 

溶接関連のSNSを眺めていると、「今日の出来具合は…」とか「製作の途中経過です…」なんかの溶接画像がたくさん出てきます。

 

溶接ビードって光の当たり具合でいろんな表情に変化します。SNS上にアップされる画像は、何枚も撮影した中で1番綺麗に見えるものをアップしてますので、そりゃ綺麗に見えますよね(経験談)。

 

投稿する人自身は溶接画像を投稿することで見てる人からのリアクションがあり、自分のモチベーションは上がります。投稿を継続することで自分の縦の比較にもなります。

 

しかし、SNS上の溶接と自分の溶接を比較する必要はありませんよ。

 

簡単そうにサラッとやっているように見えることでも、努力や労力、時間やお金、または我慢などなど、陰に隠れた泥臭い部分は必ずあります。

 

世の中で、本当に評価されないといけない部分は、見ることの出来ない陰に隠れた泥臭い部分のはずなんですが、華やかな部分だけに振り回されてしまうと、自分らしさや自分の個性を否定しまいかねません。


そんなふうに、私たちには「見えていないモノ」がたくさんあります。


他人の見えている部分だけで判断すると、自分のメンタルが不安定になるだけです。辞めときましょう。 

最後のひとつは「休息」

これが一番重要です。

 

始めは上手くいってるのに、途中から失敗が続くという人に共通する集中力の切れ。

 

人の集中力は持って40~50分くらいです。

 

自身の仕事でもそうなんですが、1時間を超えてパフォーマンスが落ちるのがわかってくると、図面を見るフリをしながら体を休めるんです。10分くらい(40歳過ぎてますよ)。

 

その後に取り掛かってみると、不思議なことに休憩前より、はかどることが多々あります。

 

頭の中があれだけ煮詰まってたのに、休日明けの月曜日の朝の溶接ですんなり出来たりとか。

 

体って30歳後半になると段々とわかってくる事なんですが、20代の頃ってガムシャラに出来るもんなんで、ついつい夢中になってやってしまうんですよね。

 

もちろん練習時間に比例して技術は向上しますが、休息を取る事も大切ですよという話でした。

 

以上、今回は溶接が上手い人の特徴である「縦の比較と横の比較、時々休息」についてでした。

 

夏本番!体が資本!

 

水分塩分補給、そして休憩を欠かさずに、体をご自愛ください!

 

ではでは、今回はこの辺で。

より良い溶接ライフを!

 

【溶接脳を鍛える過去記事一覧】 

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溶接初心者はうまく失敗する方法を知る【仮説、検証のPDCA】

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